アメリカのコストコからあの人気商品が消えた!? 突如、販売をやめた理由とその背景にある根深い問題とは?(フロントロウ編集部)

店の棚からあの人気商品が消えたワケ

 会員になれば食品や家電、衣類などあらゆる商品がお手頃価格で手に入ることから、日本でも大人気の会員制ウェアハウス・クラブのコストコ(Costco)。新型コロナウイルスのパンデミックの影響で買い置きやまとめ買いをする人が増え、各国で同店の需要が高まるなか、本国アメリカのコストコであの人気商品がひっそりと姿を消していたことがわかった。

 その商品とはチャオコー(Chaokoh)のココナッツミルク。今年7月、タイに本社を置く食品メーカーが輸出する「チャオコー」ブランドのココナッツ製品に対し、米動物愛護団体のPETAが「首輪をつけた猿にココナッツ狩りをさせ、重労働を強いるのは動物虐待にあたる」として糾弾。そのことがきっかけで、動物愛護に厳しい欧米では、大手のスーパーマーケットやドラッグストアが次々と同社の製品の販売を中止する事態に発展した。

画像: 店の棚からあの人気商品が消えたワケ

 アメリカではすでにウォルマート傘下のアズダ(ASDA)や、ドラッグストア大手のウォルグリーン(Walgreens)などが「チャオコー」ブランドの商品の取り扱いをやめており、コストコもそれに続くかたちとなった。

 米コストコの責任者がPETAに送った手紙によると、販売元に「コストコは猿を強制的に働かせることに賛同しておらず、すべての収穫作業が人間の手によって行われることを求める」と伝えたそうで、収穫の工程に改善が見られ次第、取引きを再開する意向だという。

 タイを含む東南アジアの国々では、ココナッツの収穫に猿を使う昔ながらのやり方が根強く残っているが、近年、動物愛護の観点から問題視されている。今回、コストコから取り引きを停止された販売元の会社は”猿は使ってない“と否定しているが、PETAは現地の動物愛護団体を通じて下請け先の複数の農家が猿を強制労働させているのを確認したとしており、闇は深い。

約1ヵ月前に別の理由で人気商品が姿を消す

 今回の件とは別の理由だが、アメリカのコストコでは約1ヵ月前にも人気商品のパルメット・チーズ(Palmetto Cheese)が姿を消している。

 今年8月、パルメット・チーズを販売するチーズ製造会社社長が、黒人に対する人種差別撤廃を訴える抗議運動「Black Lives Matter/ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命にも価値がある)」とその参加者のことを、自身のフェイスブックで「テロリスト集団」と呼んだことがきっかけで、同社の製品を買わないように呼びかける不買運動が勃発。

 コストコ側は販売中止の理由は明かしていないものの、製造元の社長の問題発言があった直後に「販売中止のお知らせ」という張り紙が貼られていたことから、“人種差別を容認しない”という同社の意思表示だと見られている。(フロントロウ編集部)

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