スカーレット・ヨハンソン主演映画『LUCY/ルーシー』に登場する「人間の脳は10%しか機能していない」という理論は、科学的には間違いだと言われている。そのことを知りつつ映画の設定に採用したリュック・ベッソン監督の意見をご紹介。(フロントロウ編集部)

※この記事には映画『LUCY/ルーシー』のネタバレが含まれます

スカーレット・ヨハンソン主演の映画『LUCY/ルーシー』

 映画『LUCY/ルーシー』は2014年に公開された映画。マーベル映画でブラックウィドウを演じるスカーレット・ヨハンソンを主演に迎え、マフィアの闇取引に偶然巻き込まれた女性が“覚醒”していく様子を、壮大なSFストーリーで描き出した。

 監督は、映画『レオン』や『フィフス・エレメント』などを世に送り出したリュック・ベッソン。共演には映画『ショーシャンクの空に』のモーガン・フリーマンや映画『オールドボーイ』のチェ・ミンシクなどの名優が参加している。

「10%しか機能していない」人間の脳を覚醒させる?

 本作は、主人公ルーシーの体内に取り込まれた新種の麻薬がもたらす効果がメインに描かれる。その効果とは、「通常10%しか機能していない脳の機能を覚醒させる」というもの。どんどん覚醒していくルーシーは超人的な力を発揮し、最後には人間性さえ失ってしまう。

 劇中では本当のこととして描かれる「人間の脳は10%しか機能していない」という理論だけれど、実はこれ、都市伝説。「脳の10パーセント神話」とも呼ばれていて、科学的に全く正しくない。実際の脳は、全体的に機能している。

 ベッソン監督はこのことについて知りつつも作品に利用したことを米Wiredに「映画のいいところは、真偽をごちゃ混ぜにして、最後に本物のように見せられるところだ」と語っている。

画像: 「10%しか機能していない」人間の脳を覚醒させる?

 続けて、「1秒あたりの脳の情報伝達の速度は驚異的だ」と言い、「しかし、私たちはこの情報にアクセスすることができない。だから、『ある日突然、脳の情報にアクセスできるようになったらどうなるだろうか?』と考えるのは自然なことだった。答えは? おそらく大したことはないだろう。でも、我々は夢を見ることができる」と、映画という創作の自由さを語った。

 たとえ現実的に間違っていても、想像力や創作力は現実を超えるということがよくわかる素敵なエピソードだった。(フロントロウ編集部)

※本記事は表記に誤りがあったため修正いたしました。(誤)→ベンソン監督 (正)→ベッソン監督 です。

This article is a sponsored article by
''.