コカ・コーラ社の「ホリデーシーズンの風物詩」がキャンセルに
今、世界中の人々が慣れ親しんでいる、「赤い服に白ヒゲ」というサンタクロースの姿が、もとを辿れば、1930年代に発表された飲料メーカー、コカ・コーラ社の広告に描かれたサンタクロースが起源だというのは有名な話。
コカ・コーラ社とクリスマスには切っても切れない深い繫がりがあり、ホリデーシーズンの到来を告げる、心温まるワクワクするようなCMにも毎年注目が集まるけれど、イギリスやそのほかの一部の国で、長年にわたって実施されてきたのが、サンタクロースの絵や電飾が施されたホリデー仕様のトラックが全土を巡る「クリスマス・キャラバン」と呼ばれる催し。
コーラの生誕の地であるアメリカでは、1995年にクリスマス仕様のトラックをフィーチャーしたCMが放送されるのと同時に、全国65都市を同様のトラックが訪ねてまわり、子供たちにコカ・コーラを無料で配るというキャンペーンが実施。その後、ヨーロッパや南米、オーストラリアなどでも同様のキャンペーンが行なわれるようになった。
その後、アメリカでは廃止となってしまったものの、イギリスでは、2010年の初回以来、約10年間もクリスマス・キャラバンが続いており、毎年11月の終わり頃からトラックが国内40カ所を巡って人々に笑顔を届けてきた。
しかし、新型コロナウイルスが猛威を振るい続け、ヨーロッパ諸国が2度目のロックダウンを余儀なくされるなか、今年はクリスマス・キャラバンの開催を断念するという決定を下したことを英コカ・コーラ社が発表した。
感染拡大防止のため、大勢の人が集まるイベントはまだまだ自粛しなくてはならず、仕方がない事だとは理解しつつも、ホリデーシーズンの風物詩としてクリスマス・キャラバンを楽しみにしていた人々は、悲しみの色を隠せない様子。
「残念ながら、コカ・コーラ社の今年のクリスマス・トラック・ツアーは中止となりました」という公式ツイッターでの告知には、「コカ・コーラのトラックが来ると、もうすぐクリスマスなんだなって実感してたのに・・・」、「毎年楽しみにしてたのに、残念すぎる」といった悲愴感漂うコメントが寄せられたが、一方では「正しい判断だと思う」、「みんな健康に過ごして、来年のキャラバンを楽しみにしよう!」といった、ポジティブにとらえる意見も見られた。
Due to current restrictions around the country, our Coca-Cola Christmas Truck Tour won’t go ahead this year. We know it's disappointing, but we’ll continue to share special Christmas moments throughout the festive season. We look forward to seeing you next year! pic.twitter.com/VWza9Al3hm
— Coca-Cola GB (@CocaCola_GB) November 6, 2020
クリスマス・キャラバンは中止に追い込まれてしまったものの、英コカ・コーラ社は、ホリデーキャンペーンやCMにより一層力を入れると発表しており、デジタルやバーチャルコンテンツでは、例年にも増した盛り上がりが期待できそう。(フロントロウ編集部)