新作バーガーに隠されたヒミツとは
2019年の秋に、大豆由来など植物性タンパク質を原料とする人工肉を製造・開発する「ビヨンド・ミート(Beyond Meat)」と提携して、カナダの一部店舗で試験的に植物由来の人工肉を使用したベジバーガーを販売したマクドナルドが、100%植物由来の代替肉を使用した新作バーガー「マックプラント(McPlant)」を2021年に発売することがわかった。
見た目は普通のハンバーガーだが、あいだにはさまっているビーフパティはビーフ(牛肉)ではなく、味や食感、風味までも「本物のお肉」にそっくりな植物性代替肉でできていて、代替肉もここまで進化してるのか…と言葉を失うほどの衝撃。
ちなみに、マクドナルドは新作バーガーに使用されている代替肉は、「マクドナルドによってマクドナルドのためだけに作られたもの」とコメントしているが、「P.L.T.」に続いて「マックプラット」でもビヨンド・ミートとタッグを組んでると言われている。
「健康に悪い」「環境に悪い」など色々と悪評が絶えないファストフード業界だが、昨今、ファストフードもよりヘルシーでエコに生まれ変わることが求められており、マクドナルドのライバルとして知られるバーガーキングも人工肉製造会社のインポッシブル・フーズ(Impossible Foods)と協力して、植物由来のパティを使用したバーガーを販売するなど、植物由来の人工肉を使った商品の開発が進んでいる。
KFCの「新・チキンナゲット」も負けてない
マクドナルドと同じくビヨンド・ミートと手を組んで、今年7月からカリフォルニア州にある50以上の店舗で「ビヨンド・フライドチキン(Beyond Fried Chicken)」の販売を開始したケンタッキーフライドチキン(KFC)は、ロシアの3Dバイオプリンティングメーカー「3D Bioprinting Solutions」と提携して3Dプリントで作った「新・チキンナゲット」を開発中。
3Dプリンターにもいくつか種類があるが、KFCが用いるのは医療分野で細胞を使って立体的な組織や臓器などを製造することができるバイオ3Dプリンターで、鶏の細胞と植物材料を使ってバイオプリンティング技術で作られた「新・チキンナゲット」は、見た目だけでなく味も忠実に再現されているという。また、従来のチキンナゲットよりもヘルシーで、生産工程も環境に優しい“エコフレンドリーなチキンナゲット”となっている。
ちなみに、こちらのバイオプリンティング代替肉は、動物性タンパク質を使用して生成されるので、ベジタリアン向けの植物性たんぱく質による人工肉とは異なるが、動物に害を与えることなく生産することができるそう。(フロントロウ編集部)