『ゴシップガール』新シリーズにまつわる誤解
2007年から2012年まで米CWで放送され、社会現象的大ヒットを記録したドラマ『ゴシップガール』。その最終回から8年後の現代を舞台に、ニューヨークで暮らす若者たちの群像劇を描く新シリーズが制作され、HBOのストリーミングサービス、HBO MAXで2021年内に配信を予定している。
いよいよニューヨークでの撮影が本格始動し、キャストたちがそれぞれの役に扮した姿もお披露目されたけれど、注目の同作に関して、世間が抱いている“ある誤解”について、オリジナル版に引き続き制作総指揮を手がけるジョシュア・サフランが明確にした。
2019年夏に新シリーズの制作決定が発表されて以来、同作がオリジナル版を新たな視点で作り直した“リメイク”なのか、それとも、オリジナル版から派生した“スピンオフ”なのかは少々曖昧だった。
正式なタイトルやあらすじ、登場キャラクターのほとんどが、謎のベールに包まれたままの新シリーズは、最近では、英語で「再起動」を意味する“リブート”という呼び名が定着。
世界各国のメディアも、ファンたちも、同作を話題にする際は「『ゴシップガール』のリブート」、「リブート版『ゴシップガール』」と表現してきたが、クリエイターのジョシュアいわく、新シリーズは“リブート”作ではないそう。
そのことをはっきりさせておく必要があると感じた様子のジョシュアは、インスタグラムを通じて、なぜ、同作がオリジナルのリブート版ではないのかを説明。
「オーケイ、このショーがなぜリブートではないのかという理由を説明したい」と切り出し、4つの理由を列挙した。
A:キャストたちはオリジナル版のキャラクターを演じるわけではないから
B: オリジナル版と同じ世界に存在する物語だから
C: オリジナル版と同じクリエイターたちや、オリジナル版の脚本を手がけた人物が制作しているから
D: 新シリーズに携わっている人は1人も同作を“リブート”とは呼んでいないから
さらに、ジョシュアは、ドラマ『ブレイキング・バッド』に登場する弁護士ソウル・グッドマンを主役としたスピンオフシリーズ『ベター・コール・ソウル』はリブート作品ではなく、ドラマ『POWER/パワー』から派生した4つのスピンオフシリーズもリブートとば呼ばれないことを例に挙げ、自身が手がける『ゴシップガール』の新シリーズは「これらの作品の中間のどこかに当てはまる」と続けた。
「リブート」ではなく「エクステンション」と呼んで欲しい
新たなキャラクターたちが、オリジナル版のキャラクターについて話題にすることもあるという『ゴシップガール』の新シリーズ。
少し分かりにくいが、ジョシュアは、新シリーズはオリジナルの“エクステンション(拡張版)”ととらえているそうで、ツイッターでは「“エクステンション”という呼び方を定着させるためにPR担当を雇おうかな」ともコメントしていた。
Once again, it’s not a reboot. I think I maybe have to hire a publicist for the word “extension.”
— Joshua Safran (@Anthologist) November 11, 2020
ジョシュアは9月にも、ツイッターに寄せられたフォロワーからの質問に答える形で、新シリーズは“拡張版”だと示唆。「新シリーズのキャラクターたちは、オリジナル版のキャラクターを投影した設定になっているの?」という質問に、「リブートではなく拡張版として描きたいんだ。焼き直しじゃなくて、進化したストーリーとしてね」と答えていた。
正式タイトルが決まるまで、呼び名には困ってしまうが、新シリーズには、とにかく世界中のファンたちの熱い視線が注がれていることは確か。たとえ自分たちの思惑とは違った呼び方をされていても、すでに多くのメディアに取り上げられていることについて、ジョシュアは「話題にしてくれるほど、人々がこの作品に興味を持ってくれていることに、ただただ感謝してる」ともコメントしている。
『ゴシップガール』の新シリーズは、オリジナル版の放送当時は顕著ではなかったSNSの普及や、LGBTQ+のレプリゼンテーションにも力を入れた物語が描かれる。
同作には、オリジナル版で衣装を担当し、数々のトレンドを生み出したスタイリストのエリック・デイマンもカムバック。パーティー会場が舞台とみられるシーンの撮影では、早速、数人の女性キャストたちが、オリジナル版でセリーナ役のブレイク・ライブリーやブレア役のレイトン・ミースターらが着こなしたゴージャスなドレスを彷彿とさせる衣装に身を包む様子も目撃された。
(フロントロウ編集部)