水の上を人が歩いている…! しかしそこには、ある真相があった。(フロントロウ編集部)

水の上を歩ける理由

 ブラジルのリオデジャネイロにあるサラプイー川の上を、はだしで歩く人物が目撃された。一体どうやって? しかし写真を見ると、その足元に水はない…?

 そう、じつはサラプイー川の一部にゴミが蓄積。そのゴミの上を歩けるほどの量となっている。サラプイー川は36キロを流れる川で、川に溜まったゴミが、多様な動物や鳥などが生息する州立公園にも拡大していることが確認された。

 サラプイー川は、土壌の問題や水が流れるためのスペースの削減などが原因で、とくにモンスーンによる洪水が起こりやすい一方で、その他の時期には水量が減り、ゴミが蓄積しているという。

 2016年にはリオデジャネイロオリンピックが開催されたブラジルでは、政府がそれまでにサラプイー川と繋がるグアナバラ湾をキレイにすることを約束したけれど、英The Guardianや米The New York Timesは、政府はそのためのステップを踏んでいないとした。また、リオデジャネイロの水質問題は長年問題になっており、オリンピック前には米APFが水に頭をつけるなと報じたほど。2020年初めにも水道から汚水が出てくる事態が発生し、ミネラルウォーターの需要が急増。各地で値上げや購入制限などがかけられた。

世界で問題のゴミ問題

 ゴミによる海洋汚染問題は、世界で問題となっている。とくに深刻なのはプラスチックごみで、国連環境計画2018年の推計によると毎年1,300万トンが海に流れこんでいる。そして、すでに海には1億5,000万トンのプラスチックごみがある。

 ごみは水質汚染や、野生生物の生態に悪影響を及ぼしている。ウミガメがゴミ袋を食べてしまい、それが胃の中に留まり餓死してしまう事件や、ウミガメに人が捨てたビーチチェアが絡まって命を落とした事件、鳥の親子がタバコの吸い殻を食べている写真など、これまでにも多くの衝撃的な出来事が話題となってきた。

 また、2020年は新型コロナウイルスの影響で使い捨てマスクの需要が爆発的に増加。使い捨てマスクのポイ捨てや、焼却による大気汚染も指摘されている。

 個人でできることとしては環境に悪い製品の使用を止めたり減らしたりすることが効果的だけれど、いろいろなものへのリサイクルや、環境に優しい新たな素材の開発なども各地で進められている。1人1人の行動から、企業や政府といった団体の活動まで、様々な取り組みで解決していくことが求められている。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.