Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』で主演を務めて注目を集めている24歳の俳優アニャ・テイラー=ジョイを深堀り。(フロントロウ編集部)

Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』で主演

 Netflixで2020年10月23日に配信がスタートし、米辛口批評サイトRotten Tomatoesで100%のスコアを獲得するほどの批評的な成功を収めたオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』。さらに、本作は配信開始から28日間で6,200万世帯に視聴され、脚本があるリミテッド・シリーズとしてNetflix史上最高の視聴回数も記録。92ヵ国でトップ10にランクインするなど、批評的/商業的にも記録的なヒットとなっている。

 原作は、1983年に発表されたウォルター・テヴィスによる同名小説で、米ソ冷戦時代を舞台に、主人公のベスが薬物やアルコール依存に悩まされながらも、チェスの最高位であるグランドマスターを目指すというもの。オーディエンスを引きつけ続ける緊張感漂うストーリーや映像美をはじめ、当時をモチーフにしたレトロで可愛い衣装や装飾品の数々に目を奪われるのはもちろんのこと、主人公ベスを演じる24歳の俳優アニャ・テイラー=ジョイにも高い注目が集まっている。

 ここでは、そんなアニャについて知っておくべきプロフィールをご紹介!

画像: Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』で主演

 

アメリカ生まれ、アルゼンチン&イギリス育ち

 1996年4月16日、アフリカ系とスペイン系の血を持つイギリス人の母と、スコットランド系アルゼンチン人である父親の間に、6人兄弟の末っ子として米フロリダ州マイアミで生まれたアニャ。ちなみに、地毛はブロンドとのこと。

画像: 2015年、ロンドン映画祭にて父デヴィッドと。

2015年、ロンドン映画祭にて父デヴィッドと。

 アニャは6歳までをアルゼンチンのブエノスアイレスで過ごし、その後でイギリスのロンドンに移住。ロンドンに移住したての頃は、スペイン語しか話せなかったことを明かしている。8歳になるまで流暢な英語が話せなかったアニャは、ロンドンという新しい環境に馴染むのに苦労したようで、2020年11月に行なわれた英Daily Mailとのインタビュー当時について次のように振り返っている。

「アルゼンチンは緑に囲まれていて、私は馬を飼っていたし、そこら中に動物がいた。それが突然、大きな都会に住むことになって、私は言葉を話せなかった。自分がどこかにフィットしているという感覚は持ったことがないの」

モデルとしてキャリアをスタート

 なかなか周囲に馴染めなかったなか、アニャは10代前半だった時期に、その後の運命を変えるきっかけとなる人物と出会う。その人物とは、モデル事務所「ストーム・モデル・マネジメント」の創設者である、スカウトのサラ・ドゥーカス。スーパーモデル、ケイト・モスを発掘したことで知られるサラは、ロンドンで歩いているアニャを見つけ、スカウトしようと彼女に声をかけたものの、アニャはそれがスカウトだとは思わずに、誘拐されると思ってかなり警戒していたと後に明かしている。

画像: 2016年、パリ・ファッションウィークのミュウミュウのショーにて。

2016年、パリ・ファッションウィークのミュウミュウのショーにて。

 「『ああ、最悪。終わった』って思った」とアニャは2016年に英Daily Mailとのインタビューで当時を回想している。「だから私は、犬を抱えて逃げることにしたの」。しかし、サラはどうしてもアニャをスカウトしたかったようで、車の中からスタッフに「もし立ち止まってくれれば、後悔はさせない。この車に、どうしても君に会いたがっている人がいるんだ」と言わせたそう。確かに、通常ならば明らかに怪しく絶対に車に乗ってはいけないこの文句。しかしアニャの場合はそうではなく、その翌日に、彼女は晴れてストーム・モデル・マネジメントと契約した。

画像: 2018年のメットガラにて。

2018年のメットガラにて。

 ちなみに、モデルとしての最近の仕事としては、ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)のフレグランスのアンバサダーを務めている。

俳優としての順調なキャリアを歩んできている

 その後、アニャは16歳の時に俳優への道を志し、通っていた学校を中退。ちなみに、米Buzzfeedとのインタビューで、役こそ得られなかったものの、初めて役者として受けたオーディションは2014年公開のディズニー実写映画『マレフィセント』だったことを明かしている。アニャはモデルとしての仕事の現場でドラマ『ダウントン・アビー』の俳優アレン・リーチと出会い、彼の紹介がきっかけとなって、2016年に公開されたホラー映画『ウィッチ』の主演に抜擢されることに。

画像: 2016年2月、ハリウッドで行なわれた『ウィッチ』のプレミアにて。

2016年2月、ハリウッドで行なわれた『ウィッチ』のプレミアにて。

 映画『ウィッチ』は、サンダンス映画祭で監督賞を受賞するなど、世界各国の映画賞で軒並み高い評価を得て、作品への評価と比例するように、主演したアニャへの注目度も高まることに。2017年には、英国アカデミー賞の新人賞にあたるライジング・スター賞にノミネート。結果として、同賞はMCU映画『スパイダーマン』シリーズなどで知られるトム・ホランドが受賞したものの、イギリス映画界で最も栄誉ある賞で新人賞にノミネートされたアニャの名前は、一躍映画界に広く知れ渡ることとなった。

 その後、アニャは2017年に公開されたジェームズ・マカヴォイ主演のサイコスリラー『スプリット』や、その続編となる『ミスター・ガラス』など、続々と注目作に出演。2020年8月に公開されたマーベル映画『ニュー・ミュータンツ』にも出演した。

画像: 2019年、『ミスター・ガラス』のUKプレミアにて。

2019年、『ミスター・ガラス』のUKプレミアにて。

 『クイーンズ・ギャンビット』で主演を務めたアニャだけれど、彼女がNetflixで配信されているドラマ作品に出演するのは本作が初めてではなく、『ピーキー・ブラインダーズ』のシーズン5ではジーナを演じた。

見た目へのコンプレックスを告白

 ケイト・モスを発掘したスカウトの心を通りすがりに撃ち抜いたほどの美貌の持ち主でありながらも、アニャは自身の見た目にコンプレックスを抱えていることを公にしている。

画像: 『EMMA.』の監督を務めたオータム・デ・ワイルドとアニャ。

『EMMA.』の監督を務めたオータム・デ・ワイルドとアニャ。

 アニャは2020年に行なった英Daily Mailとのインタビューで、ジェーン・オースティンの小説を映画化した『EMMA.(原題)』に主演を務めた際に感じていたプレッシャーを打ち明けている。「パニックに陥ったの......『初めての醜いエマになってしまうから、私にはできない』って。映画の最初のセリフは、『ハンサムで、クレバーで、リッチな私』っていうものだったの」。

 「これまでも、そしてこれからも、自分のことを綺麗だと思うことはないと思う」とアニャは自分の見た目に対するコンプレックスを告白している。「自分が映画に出演できるほど綺麗だとは思わない。惨めに聞こえるし、ボーイフレンドからは、そんなこと言うと周りの人たちからバカだって思われるよって言われるけど、私は自分が変わった見た目をしていると思ってる」とアニャ。

「自分が出ている映画を映画館に観に行くことはしない。公開される前に観るから。自分自身であることのいい部分は、自分の顔を見なくてもいいというところね」とアニャは続けて語り、自分の姿をスクリーンで直視したくないがために、自身の出演作は映画館で観ていないことを明かした。

『マッドマックス』スピンオフなどさらなる注目作への出演が決定済み

 アニャ自身はスクリーンで自分の姿を観たくないと話す一方で、彼女は既に今後も注目作に出演することが決定しており、新型コロナウイルス禍なのでスクリーンでその姿を見届けられるかは分からないものの、2015年の大ヒット映画『マッドマックス怒りのデス・ロード』の前日譚となる来たるスピンオフ映画『Furiosa(フュリオサ/原題)』への出演が決定している。それに、『クイーンズ・ギャンビット』の成功は、俳優アニャへの評価をさらに高めることになったはずなので、今後さらに映像作品で彼女の姿を観る機会が増えていくに違いない。これからのアニャの活躍に要注目! (フロントロウ編集部)

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