アイテム人気が高い『BTTF』
1985年から1990年にかけて3部作が公開され、今なお愛される不朽のSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、そのストーリーだけでなく、タイムトラベルをする車デロリアンや空飛ぶ車、ナイキ(NIKE)による靴ひもが自動調整される未来のスニーカー「ナイキ マグ(NIKE MAG)」など、今もなおその実現を追いかけてしまうアイテムが多く登場したことも、SF映画としての金字塔を打ち立てることとなった理由の1つ。
しかし映画化までの道のりは長く、脚本のボブ・ゲイルと監督のロバート・ゼメキスは約5年をかけて映画化にこぎつけた。当初は配給会社がなかなか決まらず、その間に脚本は40回ものボツをくらうほどだったのだけれど、そこに製作総指揮として加わったのが、かのスティーブン・スピルバーグ氏。『激突!』や『ジョーズ』から、『未知との遭遇』や『E.T.』といった大ヒット作を手掛けてきたスピルバーグ氏が加わったことで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の制作は一気に進んでいった。
『BTTF』タイムマシンはデロリアンではなく…
そんなスピルバーグ氏とゼメキス監督が気に入っていたというのが、もちろん、車のデロリアン。劇中ではデロリアンに次元転移装置が取りつけられ、タイムマシンへと改造されたけれど、2人はデロリアンのガルウィングドアが宇宙船な雰囲気があって気に入ったと言われている。しかしじつは、デロリアンはタイムマシンの第1候補ではなかったって、知ってた?
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でデロリアンの前に考えられていたタイムマシンは、冷蔵庫!
デロリアンというタイムマシンの魅力的なところは移動しながらタイムトラベルするという特徴にもあるけれど、当初は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも他の作品のタイムマシンにあるような、場所が固定された出入口が考えられていたよう。しかし冷蔵庫に問題点を見つけたのがスピルバーグ氏で、映画を見た子供たちが、マーティの真似をして冷蔵庫に入って出られなくなるという事故を招いてしまうのではないかと指摘。実際、この時代には同様の事故が起こっており、命を落とした子供もいたと米Screen Rentは伝えている。
そして別のアイディアを考えた時に、ゼメキス監督の動くものが良いという考えからデロリアンが選ばれたとのこと。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、これとは逆に変更しなくて良かったと思われているものも。それはタイトル。本作の配給会社であるユニバーサル・スタジオの当時のトップだった故シドニー・シャインバーグ氏は、「冥王星から来た宇宙飛行士」というタイトルを希望していたけれど、スピルバーグ氏のウィットに富んだ返答で変更を回避することに成功した。(フロントロウ編集部)