ワセリンで肌をコーティングする「スラッギング」
ここ最近アメリカを中心にブームとなっている「スラッギング」とは、皮膚を保護するバームであるワセリンを夜のスキンケアの最後に肌にたっぷりと塗って、スリーピングマスクのように使用するスキンケア方法。韓国が発祥であるこのスラッギングは、海外の人気提示版サイトReddit(レディット)のある投稿がきっかけで欧米に広まり、最近では海外の有名メディアがこぞって取り上げるトレンドとなっている。
そんなトレンドとなっているスラッギングだけれど、実際に肌への影響はどうなのか、皮膚科医の見解をチェック。
皮膚科医も乾燥対策として高評価
スラッギングのメリットのひとつは、ワセリンが肌を密閉して乾燥の原因である水分の蒸発を最大99%も防いでくれること。
米コネティカット州にあるイェール大学で医学部の准教授を務める皮膚科医のモナ・ゴハラ医師は、「油分の多いワセリンには水分の蒸発を防ぐ効果があり、続けるうちに乾燥しにくい肌に近づくから、乾燥肌にとってスラッギングは素晴らしい選択肢だと思う」米メディアShapeでコメント。水分の蒸発を予防するだけでなく、継続することで乾燥知らずの肌を目指せるそう。
そしてスラッギングにはもうひとつ、エイジングサインにアプローチできるというメリットも。ゴハラ医師は、「シミやたるみなどは、加齢による肌のバリア機能の低下が原因になることが多いけれど、ワセリンを塗って寝ることでバリア機能の修復が期待できる」と説明。このバリア機能が修復されることで、肌がたくさんの水分を保持できるようになり、ふっくらとした肌に近づくという。
ニキビができやすい場合は注意
肌に嬉しいことが多いと皮膚科医も認めるスラッキングだけれど、取り入れるには注意も必要だという。それは、ニキビができやすい肌や元々皮脂の分泌が多い脂性肌の場合、肌トラブルを引き起こすおそれがあること。
ニューヨークの皮膚科医であるジョシュア・ツァイヒナー医師は、ワセリンには添加物や香料が含まれていないため、その成分自体がニキビの原因になることは少ないとしながら「肌を密閉することで皮脂の分泌が活発になったり、毛穴が詰まりやすくなったりすることもあるため、人によってはニキビや肌荒れを引き起こす可能性もある」とコメント。肌に合うかをしっかりと見極めることが大切だという。
また、スラッギングを取り入れる際は、起きたらすぐにしっかりと洗顔してきちんとワセリンを洗い流すことや、枕やシーツにワセリンが付着した場合はこまめに洗濯して清潔に保つことも忘れずに。ワセリンはプチプラ価格で購入できるので、この冬の乾燥対策に取り入れてみては。(フロントロウ編集部)