Netflixドキュメンタリー『オードリーとデイジー』に登場し、非営利団体SafeBaeの発足に関わったデイジー・コールマンの死から4ヵ月。デイジーの母親も、命を落とした。(フロントロウ編集部)

『オードリーとデイジー』のデイジー・コールマン

 学校での性暴力を防ぐことを目的とした非営利団体SafeBaeの発足に関わったデイジー・コールマンは、14歳の時にレイプ被害を受けた。相手は当時19歳のマシュー・バーネットで、ミズーリ州の共和党元議員の孫だった彼に対する重罪としての性的暴行の起訴は取り下げられた。さらにその後には、嘘つき呼ばわりや家に放火されるなどの壮絶なセカンドレイプを経験したデイジーの人生は、Netflixドキュメンタリー『オードリーとデイジー』で取材されている。

 そして彼女は、今年2020年8月に23歳で自ら命を絶った。デイジーの母であるメリンダ・コールマンは、当時こうコメントしている。

 「私の娘であるキャロライン・デイジー・コールマンが、今夜自殺しました。もしあなた達が、クレイジーなメッセージや投稿を見たのであれば、それは、彼女の様子を確認してほしいと私が警察に電話したからです。彼女は私の親友であり、素晴らしい娘でした。彼女は、私に1人でも生きていけると思わせようとしましたが、私には無理。彼女が抱えていた痛みを取り除いてあげたかった!あの少年達が彼女にしたことから、彼女は回復できなかった。こんなの不公平すぎる。私の可愛い女の子は去ってしまった」

デイジーの母であるメリンダ・コールマン

 そしてデイジーの死から4ヵ月、メリンダが自殺したことをSafeBaeが明かした。また、メリンダの夫はデイジーが子供の頃に交通事故で死去しており、2018年にはメリンダと息子が乗っていた車が交通事故に遭い、同乗していた息子が亡くなっている。SafeBaeは、存命であるメリンダの息子2人を気づかっている。

 今回の件は、レイプは人を殺しているわけではないと言えるのかという議論に再びスポットライトを当てる。レイプ被害は、その時に終わるものでも、その後すぐに傷が治るものでもない。アメリカで性暴力撲滅のために活動する非営利団体RAINNによると、レイプ被害に遭った女性のうち94%が、その後2週間でPTSDを経験。しかし、被害から9ヵ月ほどが経ってからPTSDを経験する女性も30%にのぼる。そして33%の女性が自殺を考え、13%が実際に自殺を試みるという。

 また、性暴力の被害者は、そうでない人に比べて、マリファナを使う確率が3.4倍、コカインを使う確率が6倍、そしてその他の有名な薬物を使う確率は10倍になるという。

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(フロントロウ編集部)

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