12月10日に世界各国のランドマークが青い光に照らされることが発表された。この行動は、人権問題と大きなかかわりがあった。(フロントロウ編集部)

12月10日が青く染まる理由

 よくイベントや行事に合わせて、ランドマークを照らす光の色が変えられることがあるけれど、2020年12月10日はアメリカ・ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルやシカゴのジョン・ハンコック・センターをはじめ、カナダ・トロントのCNタワー、モントリオールのモントリオール・パーク・タワー、ドイツのミュンヘンにあるオリンピックタワー、フランクフルトにあるパウロ教会など、世界各国のランドマークが青に染まる。なぜ12月10日に青く染まるのか。

 じつは、12月10日は世界人権デーで、人権デーをお祝いするために世界各国のランドマークが青く染まることを非営利の国際人権NGO団体、Human Rights Watchが発表した。

様々な人権問題が浮上した2020年

 1948年12月10日に国連総会で世界人権宣言が採択されたことにより、毎年12月10日が世界人権デーに認定された。世界人権宣言は、人権および自由を尊重し確保するために、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」を宣言したものであり、人権の歴史において重要な地位を占めているもの。しかし、2020年は様々な人権問題が浮上。

 その中でも最も注目を浴びたのが、アメリカ全土で行なわれたブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)の運動。2020年に入り、すでに複数名の黒人が白人警官の関係者によって殺されたことにより、ブラック・ライヴズ・マターの運動が今までよりさらに活発になり、アメリカだけでなく、ヨーロッパやここ日本などでも黒人の人権を守ることを訴えるデモが行なわれた。

画像: 様々な人権問題が浮上した2020年

 ほかにも、新型コロナウイルスの感染拡大により、家庭内での女性への暴力が増加。夫から妻へ、父親から子供へなど、タイプはそれぞれ違うけれど、フランスではロックダウンが開始されると、DV(ドメスティック・バイオレンス)の報告件数が30%増加し、アルゼンチンでもロックダウン開始からドメスティック・バイオレンスの緊急通報件数が25%増加したと、UN Women(国連女性機関)とILO(国際労働機関)のプロジェクトであるWE EMPOWER G7で報告され、女性が直面する人権侵害の増加が問題視された。

画像: 写真はイメージです。

写真はイメージです。

 また、日本では本来称えられるはずの、新型コロナウイルスと第一線で闘う医療従事者やその家族などが、偏見や差別、いじめにあうなど、不当な対応をされるケースが出ており、人権を侵害されている。

 12月10日はこうした人権問題と向き合う日で、1人1人の意識改革が求められている。

 ちなみに日本では、アメリカやカナダのように青く光るランドマークはないものの、東京タワーと東京スカイツリーがSDGsのゴールを表す17色にライトアップされることが発表されている。(フロントロウ編集部)

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