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トム・クルーズが毎年ホリデーシーズンに行なっている「変態的な習慣」が、じつは小さな企業をピンチから救済していた。知られざる秘話も判明。(フロントロウ編集部)

トム・クルーズが「変態的な理由」で友人たちに贈るケーキ

 年の瀬が近づくと聞こえてくるのが、映画『トップ・ガン』や『ミッション:インポッシブル』で知られる俳優のトム・クルーズが季節のご挨拶としてセレブ友人らに贈っている「クルーズ・ケーキ」と呼ばれる、絶品だと評判のケーキの話。

 フロントロウでも2018年から3年連続で話題をお伝えしているこのケーキは、正式には「ホワイトチョコレート・ココナッツ・ブンド・ケーキ」という商品名。

 その美味しさは、映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』で子役としてトムと共演したキルステン・ダンスストが「人生で食べた中で一番美味しいケーキ」と絶賛し、映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の共演者であるヘンリー・カヴィルは「最も贅沢で素晴らしいケーキ」と評価。さらに、『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』でトムと共演したコビー・スマルダーズは、賞味期限が結構長いこともあり、「3月頃まで冷蔵庫で保管して、ちょっとずつ大事に食べている」と話すほど。

画像: 左から:キルスティン・ダンスト、ヘンリー・カヴィル、コビー・スマルダーズ

左から:キルスティン・ダンスト、ヘンリー・カヴィル、コビー・スマルダーズ

 セレブ友人たちに毎年このケーキを贈る理由について、トムは、「甘いものが大好きなんだけど、つねに撮影のためにトレーニングをしてるから、(糖質制限で)甘いものを食べることができないんだ。だから、代わりにみんなにケーキを贈る。僕のスタントチームとかにね。そして、彼らから連絡が来るのを待つんだ。(連絡をもらったら)まず『ケーキがどうだったか全部教えて』ってね」と、2018年に米トーク番組『ザ・レイト・レイト・ショー』で語っており、自分で食べる代わりに他人に食べさせて“食べた気になる”という、ストイックなトムらしい、ちょっと変態的な楽しみ方が話題になった。


トムのおかげで零細企業のピンチが救われていた

 そんな「クルーズ・ケーキ」が2020年も友人セレブたちのもとに届き始めたのだが、じつは、トムが毎年このケーキを自身のアシスタントにお願いして大量発注していることが理由で、ケーキの販売元である小さな街の焼き菓子店が経営難から抜け出せていたことがわかった。

 トムお気に入りのホワイトチョコレート・ココナッツ・バンド・ケーキを考案&販売しているのは、カリフォルニア州ウッドランドに小さな店を構えるドアンズ・ベーカリー(Doan’s Bakery)。

 1984年にオープンした同店は、母と息子による家族経営で、一般客への販売以外にも、近隣のカフェやレストランへの卸売も行なっている。ホワイトチョコレート・ココナッツ・バンド・ケーキは、今から25年ほど前に誕生した商品。

 トムのおかげでこのケーキの人気はうなぎ上りとなったが、店側は商品名を「クルーズ・ケーキ」とは改名せず、大々的に“トムのお気に入り”として売り出すようなこともせずに、慎ましやかに販売を続けてきた。

 ドアンズ・ベーカリーの経営者のエリック・ドアン氏は、新型コロナウイルスで飲食業界が大きな打撃を受けた2020年は、とくにトムの大量発注に救われたと米Yahoo! Entertainmentに語ったうえで、過去にも何度か、トムのオーダーのおかげで首の皮が繋がったという経験があったことも告白。

2016年にホワイトチョコレート・ココナッツ・バンド・ケーキにありついたドラマ『モダン・ファミリー』のソフィア・ベルガラ

 トムが店に直接足を運んで注文をしたことはないものの、「みんなすごく親切な人たちばかり」だというトムのチームが毎年年末が近づくと数百個単位で大量に注文をしてくれることに、感謝していると話した。


ケーキのトリコになったのは、あのセレブが先だった

 ドアン氏いわく、トムにドアンズ・ベーカリーのホワイトチョコレート・ココナッツ・ブンド・ケーキの美味しさを教えたのは、じつは、1977年公開の映画『アニー・ホール』でアカデミー主演女優賞を受賞した大女優のダイアン・キートンなのだそう。

画像1: ケーキのトリコになったのは、あのセレブが先だった

 トムの元妻で俳優のケイティ・ホームズがダイアンと2008年の映画『デンジャラスな妻たち』で共演した際、甘いものに目がないケイティとダイアンは、お互いに絶品だと思うケーキを食べ比べしようとダイアンと“お取り寄せ勝負”。

 その時、ダイアンが紹介したのが、ドアンズ・ベーカリーのホワイトチョコレート・ココナッツ・ブンド・ケーキで、味見役を務めたトムが、一瞬にしてトリコになってしまったのだという。

画像2: ケーキのトリコになったのは、あのセレブが先だった

 現在はアメリカ全土にお取り寄せグルメを届けるサービス、Goldbelly(ゴールドベリー)に加盟したことで、注文が殺到しているというドアンズ・ベーカリー。

 ちなみに、すでにトムから「クルーズ・ケーキ」が贈られてきた事を報告した俳優のロージー・オドネルがゴージャスなシルクのリボンがかかったケーキの箱をインスタグラムで自慢していたが、これはトムのチームが施したデコレーション。

 実際にはもっと簡素な箱で届くそうなので、ドアン氏は、そこは、くれぐれもお間違えなくと注意を添えていた。(フロントロウ編集部)

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