オーロラが12月17日に日本のファンのために開催してくれたスペシャルなオンラインライブをレポート。(フロントロウ編集部)

オーロラが日本に向けた特別なライブを開催

 日本への愛を公言してくれている、ノルウェー出身のアーティストであるオーロラから、日本のファンに向けて一足早いクリスマスプレゼントが届いた。クリスマスを翌週に控えた2020年12月17日、オーロラが日本のファンのために、「Special Streaming Show -Japan Exclusive-」と題したスペシャルなオンラインライブを日本限定で開催した。

画像: オーロラが日本に向けた特別なライブを開催

 今年9月に日本独自アルバムとして『インフェクションズ・オブ・ア・ディファレント・カインド・オブ・ヒューマン』をリリースしたオーロラは、同月に初開催される予定だったスーパーソニックに出演する予定だったものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてフェスティバルが来年に持ち越しになっていた。

オーロラのオンラインライブをレポート

 開演予定時刻の18時を回ると、サイト上のチャットスペースがオープンになった。一つ、また一つと日本語のコメントが書き込まれていき、これが日本のファンに向けたイベントであることを実感する。

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 ライブは、「ハロー、素敵なウォーリアー&ウィアード(※)の皆さん。この小さなオンラインコンサートへようこそ」というオーロラからの挨拶でスタートした。「今年は私たちの多くにとって奇妙な年になりましたね。このような時期には、音楽のための時間が大切ですし、少しの間、私たちを遠くへ連れて行ってくれるような楽しい時間が重要です。皆さんが元気なことを願っています。心からの願いです。もし、ツラい時期を過ごしているという方がいれば、私があなたに愛を送ります」とファンにエールを送ったオーロラ。

(※)オーロラのファンの総称。

 とはいえ、この日のオーロラは、必ずしも万全のコンディションというわけではなかった。実は、数週間前に右足の爪先を骨折してしまったのだという。オーロラはファンに骨折してしまったことを報告した上で、「なので、思うようにダンスはできないのですが、全力を尽くします」と、出来る限りのパフォーマンスを披露することを約束。「骨折はしていますが、それ以外は元気なので、どうかご心配なく」と告げた後で、「それから、たくさんの音楽を作っているところなの」と嬉しい報告も。「だから楽しみにしていてくださいね。私も楽しみ!」とオーロラは語り、1曲目のパフォーマンスをスタートさせた。

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 1曲目に披露されたのは、「The Secret Garden」だった。これは、同名の映画『ザ・シークレット・ガーデン(原題/The Secret Garden)』に提供された楽曲で、2020年9月にリリースされたもの。冒頭から最新モードのオーロラを観ることができるのは、ファンには嬉しい構成。この日の編成は、オーロラに加え、ドラムとギターが1人ずつというとてもシンプルな編成だったのだけれど、オーロラは大規模なステージセットなどなくとも、そして、爪先を骨折していることでダイナミックな振り付けができなくとも、自らの声をもって、歌の世界を忠実に体現できることを1曲目から証明してみせる。「私をあなたの庭に連れて行って、あなたの庭に」とオーロラは透き通るような声で歌い上げ、自己紹介をするかのように、オーディエンスに向けて自分のための居場所を作ってほしいと呼びかける。

 「こんにちは。私はオーロラです。彼らは私のバンドです」という流暢な日本語で挨拶をして、日本での思い出を話してくれた後で2曲目に披露されたのは、自らのファンであるウォーリアー&ウィアードに宛てた2016年リリースの楽曲「Warrior」。ここで、ドラマーは座って奏でる打楽器であるカホンへと移動し、よりアコースティックなパフォーマンスへとシフト。シンプルなアレンジがなされた同曲のパフォーマンスは、力強いサウンドで奏でられるオリジナルの同曲のイメージとは異なるものだったけれど、オーロラはここでも、楽曲のアレンジに関係なく、歌われるがままの感情をオーディエンスにそのまま届けることができることを示してみせる。

 そして、ライブで披露するのはなんと今回が2度目だというレア曲「Dance On The Moon」が3曲目に披露される。オーロラは、赤いムーディーなライトに照らされたステージの上をゆっくりと歩きながらパフォーマンスしてみせ、4曲目には、“静かに起きた”を意味する曲名の通り、「It Happened Quiet」が間髪を入れずに披露される。中でも圧巻だったのは、この曲の終盤で披露される高音のパートで、オーロラは身体や歌声を器用に操りながら、楽曲の世界を表現していく。

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 続けて、オーロラは地球への愛を歌った楽曲「The Seed」を披露。パフォーマンスに先駆けて、オーロラは「私はこの世界や地球、自然のことをとても気にかけてる。私にインスピレーションをくれるものだし、森の中にいるだけでも、目的を与えてくれるような存在だから」と同曲に込めた思いを説明した上で、「みなさんの多くが、私と一緒に世界を気にかけてくれていることを知っています。希望が持てますし、本当に素敵なことです。感謝しています」と、ファンへの感謝を伝えた。

 「The Seed」もまた、オリジナルとは異なるアコースティックなアレンジだったけれど、曲に込められたメッセージが迫ってくるような迫力はそれでも健在で、オーロラが生粋の表現者であるということがひしひしと伝わってくる。

 「人間として一番大切なのは、傷ついている時にそのことを友人や家族に伝えて、助けを必要としていることを教えること」と「The Seed」のパフォーマンスを終えた後でオーロラはオーディエンスに語りかける。「あなたは泣いたっていいし、悲しくなったっていい。自分自身に厳しくなり過ぎないことが大切だよ、特に今はね。すごく奇妙な年だから」とあたたかいメッセージを届けてくれた後で披露したのは、「泣いてもいい」と歌う「The River」だった。

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 オーロラは同曲のパフォーマンスを終えると、「あなたがどんな人でも構わない。男性を愛している男性でも、女性を愛している女性でもね。女性を愛している男性でも、男性を愛している女性でもいい。あなたは誰を愛したっていい。愛しているのならね。それが一番大切なこと」と力強い言葉を寄せてくれた。

 ステージの1曲目に披露した「The Secret Garden」のなかで、「私をあなたの庭に連れて行って、あなたの庭に」と歌っていたオーロラだけれど、6曲目に「The River」が披露される頃には、対照的にオーディエンスがすっかり、彼女の歌が織り成す“オーロラの庭”に入っていたような気さえした。そのことが確信に変わったのは、続けて「Queendom」が披露された時。“女王が統治する国”を意味するタイトルがつけられたこの楽曲で、オーロラは骨折した爪先など問題ないとばかりにステージを飛び跳ねながら、自らが統治するステージを観に訪れたオーディエンスを祝福してみせる。

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 この日、最後に披露されたのは「Exist For Love」だった。こちらも1曲目に披露された「The Secret Garden」と同様、2020年に入ってからリリースされた楽曲となっていて、この日のセットリストは、今年リリースされた2曲で6曲を挟むという構成だった。オーロラは「Exist For Love」の最後に繰り返される「愛してる(I love you)」というフレーズを、オーディエンス1人1人に伝えるようにカメラに向かって丁寧に歌い上げ、パフォーマンスを締め括った。

 北欧のおとぎ話からそのまま飛び出してきたような、華麗なルックスの持ち主であるオーロラ。けれど、彼女がそのパワフルで優しい歌声をもって創り出してくれる世界は、おとぎ話に出てくるような空想の夢世界では決してない。それは、間違いなくオーロラがファンとの間に創り出しているもので、ファンはそこで、自分自身を受け入れ、愛することができる。オーロラ女王が統治するクイーンダムは、間違いなくオンラインに存在していた。

オンラインライブ情報

 オーロラの「Special Streaming Show -Japan Exclusive-」は、12月19日(土)23時59分まで視聴可能となっていて、チケットは現在も発売されているので、気になる方はチェックして。

AURORA ‐ Special Streaming Show -Japan Exclusive-
◎配信日時:2020年12月17日(木) 18:00~ (19日(土)23:59まで視聴可能)
◎チケット購入リンク : Zaiko creativeman.zaiko.io/e/auroraspecialstreaming
◎チケット代 2,000円(税込)
※コンサート視聴の際のインターネット接続料および通信費は、お客様ご自身のご負担となります。
◎公式ホームページ:www.creativeman.co.jp/event/aurora_online/

(フロントロウ編集部)

 

 

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