ロシアの宇宙開発企業とテレビ局が組み、女性俳優が主演の映画をISSで撮影する計画。俳優の募集が始まっている。(フロントロウ編集部)
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ロシアも宇宙での映画撮影を計画

 ロシアの宇宙開発の国営企業ロスコスモスが、大手テレビ局チャンネル1と組み、ISS(国際宇宙ステーション)で映画の撮影を行なう。2021年10月に実際に行なわれる予定のこの計画では女性が主役で、2020年11月より、この作品に主演できる女性が探されている。

 応募者はプロの俳優である必要はないけれど、もちろん様々な条件がある。年齢は25歳から45歳の間で、身長は150センチから180センチの間。体重は50キロから75キロの間で、胸囲は112センチ以下。1キロを3分半以下で走ることができ、800メートルを20分以内に泳げ、3メートルの高さの飛び板からダイブできることが条件とされている。

 応募者のなかから30名に絞られ、その後面接。そこから2名が選ばれ、身体的・医療的・精神的なテストの数々を受けることになるそう。

 ISSでの撮影は10日間を予定されている。

画像: ロシアも宇宙での映画撮影を計画

アメリカではトム・クルーズが宇宙で撮影に臨む予定

 “宇宙での撮影”に聞き覚えがある人もいるのではないだろうか? じつは2020年5月に、NASA(アメリカ航空宇宙局)がアメリカ人俳優のトム・クルーズ宇宙で撮影を行なうことを発表した。実業家のイーロン・マスク氏が設立した宇宙開発企業のスペースXも協力すると見られている。

画像: アメリカではトム・クルーズが宇宙で撮影に臨む予定

 ロシアのこの計画は、NASAとトムのこの計画を意識していると言われており、それは1957年から1975年頃までの期間でアメリカと旧ソ連の間で発生した宇宙開発競争を彷彿とさせる。また、アメリカは有人宇宙飛行計画のために選ばれた男性宇宙飛行士マーキュリー7の影で、女性の宇宙飛行士計画マーキュリー13の計画を中止させたけれど、1963年にロシアはワレンチナ・テレシコワ氏を宇宙へ送り、彼女が世界初の女性宇宙飛行士となった。

 そんな歴史からも、ロシアが女性俳優を主役に宇宙で映画撮影を行なおうとしていることには、注目が集まる。一方で、そのスケジュールがかなり急であることで、計画が何事もなく進むのかには不安視する声もある。

 チャンネル1のCEOは、「これはSFではない。これは、近い将来に起こりえる非常に現実的なものについてです」とコメントしている。もちろんではあるけれど、ロシアが計画するこの作品は、地上でも撮影が行なわれるという。(フロントロウ編集部)

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