新型コロナウイルス感染者数の激増を受け、不要不急の場合以外の夜間の外出が禁止されたカナダ・ケベック州で、夫の首にリードをつけ「犬の散歩」と言い張った女性が強気すぎる。(フロントロウ編集部)

夜間外出禁止令が出されたカナダ・ケベック州

 カナダで2番目に人口が多い州であるケベック州は、新型コロナウイルスの第2波の直撃を受けて、1月14日現在の感染者数が23万千人を超え、死者数が8700人を突破。クリスマス前から厳しい外出自粛要請やソーシャル・ディスタンスのルールが施行されたにもかかわらず、1月に入ってからの新規感染者数は1日あたり1800人~3000人となっている。

 医療現場が逼迫するなか、1月9日からは本格的にロックダウンが開始。少しでも感染拡大のスピードを緩やかにすることができればと、フランソワ・ルゴール州首相は、夜8時から朝5時までの不要不急の外出を禁止とすることを発表し、違反者は厳しく取り締まり、罰金を科すとした。

画像: ケベック州のフランソワ・ルゴール首相

ケベック州のフランソワ・ルゴール首相


「犬の散歩」なら夜間外出してもOK!それなら…

 この外出禁止令には、一部の州民から「やりすぎだ」と反対の声が上がり、ルール施行初日の夜には通りに出て、デモを行う人々も。

 しかし、外出禁止令には、“抜け穴”とも呼べる免除があり、「犬の散歩をする」という目的であれば不要不急の外出にあたるため、夜8時以降、朝5時前であっても外出して良いことになっている。

画像: ※イメージ写真

※イメージ写真

 これを上手く利用しない手はないと考えたのが、シェルブルック市に住む、とある夫婦。なんと、妻が夫の首にリードを着けて散歩するという驚くべき行動に出た。

 米CTVの報道によると、夫妻は夜9時頃、ダウンタウンに向かって歩いているところをパトロール中の警察官に止められた。ルール違反を追求され帰宅を促されたものの、「犬の散歩のために外出しただけ」だと主張。もちろん2人は犬など連れておらず、妻が言う「犬」は首にリードをつけられた夫のことだった。警察は、夫は犬ではないだろうと指摘したが、妻は、「犬です」と主張し続けたという。

 シェルブルック警察署のイザベル・ジェンドロン氏は、地元紙のラ・トリビューンに夫妻が「まったく警察に協力的ではなかった」とし、1人1546カナダドル(約12万6000円)の罰金を科したことを発表した。しかし、この夫妻は罰金など払う気はないと、強気な姿勢を見せているという。

 ケベック州では、夜間外出禁止令が出された初週末だけで、750件の違反が報告されている。

 ルゴール州首相は、夜間外出禁止令を守ることが「難しいのは分かっている。でも、ケベック州民たちは、必要な時にはチームワークを発揮できるはずだ」と協力を促すとともに、とくに州最大の都市であるモントリオールは「非常に危機的状況にある」と警告。市内の病院は、もう少しで、すべての患者の治療にあたることができない、“パンク状態”に陥ってしまいそうだと危機感を煽っている。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.