プロがコットンやブラシを使うのは、なぜ?
プロによるメイク体験やフェイシャルを受けたことがある人ならご存知の通り、これらのプロはクライアントに美容液や保湿剤を塗るとき、たいていの場合、直接指や手は使わず、ヘラやスキンケア用ブラシを使うことが多い。
その理由について、MACのシニアナショナルメイクアーティストのファティマ・トーマスは「とくに世界的に感染が流行している今、ブラシを使ってスキンケア製品を塗ることの大きなメリットは、手を使わずに施術が行なえること」と米Allureで説明。
ファティマいわく、クライアントの顔に触れる機会が少なければ少ないほど、細菌が広がる危険性が低くなるとのだとか。
カリフォルニア州ソラナ・ビーチに拠点を置く皮膚科医のメラニー・パーム医師は「スキンケア製品の容器に指で触れてから、再度キャップを閉めると、時間の経過とともに(容器の中で)細菌が繁殖する可能性は高い」と言及。そのため「定期的にブラシをキレイにしていれば、手よりも衛生的かもしれない。とくに、すぐに手を洗えないときはね」とパーム医師は言う。
しかし、これはあくまで“複数のクライアント”に同じスキンケア製品を使用するからであって、“自分ひとり”しか使わない場合は、必ずしも必要とは限らないという意見もある。
ブラシは、定期的に洗うことが条件
ニューヨーク市の皮膚科専門医のエリス・ラブ医師は、ブラシを使ってスキンケア製品を塗ることが、すべての人にとって良いかどうかは懐疑的だという。「メイクをするときは、ブラシやスポンジによって仕上がりが変わるから分かるけれど、スキンケアの場合は必ずしもそうとは限らない」とコメント。
ラブ医師は「手を洗うよりもブラシを洗う頻度のほうが高いという人でない限りは、あまりオススメしない」と、ブラシの不衛生によって細菌が繁殖する可能性もあると指摘した。
コネチカット州に拠点を置く皮膚科専門医のモナ・ゴハラ医師も同意見のようで、「(手を使うことで)顔をマッサージしたり、肌の異常をチェックしたりすることもできる。また、指で美容液やクリームを塗ったほうが、よりしっかり肌に塗り込めるからオススメ」と話している。
そうは言っても、スキンケア製品をブラシで塗ったほうが、心理的に安心するという人もなかにはいるはず。
その場合は、スキンケア用のブラシやツールをできる限りキレイにしておくことがなにより重要。ラブ医師は「汚れたブラシは、かえって細菌が付着しやすく、ニキビや肌の炎症を引き起こすことがある」と話し、水洗いしやすいシリコン製のスキンケアブラシであっても、必ず1週間に1度は洗剤をつけて洗い、アルコール消毒するよう勧めている。
スキンケア製品を塗るときに便利なスキンケア用ブラシ。正しく使えばいつものスキンケアをラクにしてくれることもあるため、使ってみたい人はプロの意見を参考にしてみて。(フロントロウ編集部)