性犯罪者にリベンジする映画『Promising Young Woman(原題)』に出演するボー・バーナムが、男性こそこの作品について話すべきだと語った。(フロントロウ編集部)

女性の怒りを描く注目作

 映画『17歳の肖像』や『プライドと偏見』などで知られるキャリー・マリガンが主演する最新作『Promising Young Woman(プロミシング・ヤング・ウーマン)』は、性犯罪者に復讐するスリラー×ラブコメ×復讐劇!

 シリアスなテーマをコメディタッチで描き、その映像はカラフル。ドラマ『キリング・イヴ/Killing Eve』の脚本家としてエミー賞にノミネートされた経歴を持つ、絶妙なバランス感覚を持つエメラルド・フェネル監督だからこそ完成できた本作は、アカデミー賞ノミネートも有力視されている。

男性への強いメッセージも込められている

 “有望な若い女性(Promising Young Woman)”として、昔は医学部に通っていたけれど、過去のある出来事から医学部を中退し、今はコーヒーショップで働いているキャシー。そんな彼女は、夜な夜な、酔った自分を上手いこと家へと連れ込む男たちへリベンジを果たす。

 本作では、性犯罪者側の男性役にハリウッドでも好感度が高い男性俳優たちを起用し、現実に性犯罪や女性軽視を行なうのは極悪人ではなく“良い人”を自称して周囲にもそう見える人であることが多いというメッセージを投げかける。

 そして、女性だけでなく男性にも様々なことを問いかける本作について、キャシーの昔の同級生であるライアンを演じたボー・バーナムが、むしろ男性こそがこの映画について話さなくてはいけないと語った。

画像: 左からボー・バーナム、キャリー・マリガン、エメラルド・フェネル監督。

左からボー・バーナム、キャリー・マリガン、エメラルド・フェネル監督。

男性同士で話すことの重要さ

 米Colliderによる本作についてのインタビューは、インタビュアーも男性、ボーも男性という状況に。そのことについてインタビュアーが気にする様子を見せると、ボーはこう話した。

 「(笑)。それは最初のリアクションとしては良いのではないでしょうか。そして、エメラルドはこの映画について2人の男性が意見を交換しあうことを、とても喜んでくれると思います。それこそが彼女が望むことだからです。彼女は、この作品が議論を生むものであってほしいと強く願っています。変でとっちらかった会話や、今僕たちがしているような会話が、これまで男性たちの間でされなくて、女性たちがいる時にだけ行なわれているとしたら、それは問題です。男性たちはこういったトピックについて話せるようになる必要がある。でも理解は出来ます。こういったテーマについての暴露話を僕らがしようとするだなんて」

 性犯罪の加害者は、ほとんどが男性。その問題を解決していくためには、女性たちが声をあげることも大事だけれど、最終的には男性たちが変わらなければ変化は生まれない。インタビュアーもボーの意見に同意したところで、ボーはさらにこう続けた。

画像: 男性同士で話すことの重要さ

 「そう。僕たちこそ、これについて話さなきゃいけない。彼女たちじゃない。女性たちじゃない。彼女たちはそれ(性被害)のなかを生きてきた。だから彼女たちがそれについて話す必要はそこまでない」

 性犯罪や女性蔑視は、まだまだ根深い。しかし、現在30歳の男性であるボーがこのような姿勢を見せているのは大事なこと。本作の配給元であるフォーカス・フィーチャーズの責任者は、「観客の皆さんには、好きか嫌いかにかかわらず、必ず見に来ていただきたい」とコメントしている。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.