イギリスがEUから離脱したことにより、これまでビザなしで行えていたヨーロッパツアーに今後はビザが必要となることについて批判が殺到。100名以上がイギリス政府にオープンレター(公開書簡)を発表した。(フロントロウ編集部)

EU離脱の余波が音楽界にも

 エド・シーランをはじめ、デュア・リパやリアム・ギャラガー、エルトン・ジョン、リトル・ミックス、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、クイーン、など数々の人気アーティストの出身地であるイギリスがヨーロッパ連合(以下EU)を離脱したことにより、これまで通りにコンサートを行なえないという。

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 イギリスはこれまでEUに属していたため、ヨーロッパ内ではビザなしでツアーを行なえていたけれど、EUを離脱した今、イギリス出身のアーティストが自由にヨーロッパでツアーができなくなり、全スタッフの書類申請や機材の運搬などでコストがかさむため、新人アーティストにとってツアーを行なうことが実質不可能に近くなると言われている。

 米Varietyによると、今後イギリスのアーティストがEUでツアーを行なう際、ミュージシャンとそのサポート担当者は、27のEU加盟国ごとに個別のビザが必要であり、許可を得るには最低約5万2,000円(478ドル)がかかり、現在の規定では機材の運搬者はEU訪問ごとに3つの都市しか移動ができないことになっている。

 そのため、自由にヨーロッパツアーを行なえないことに対して今回、エドやリアム、エルトン、ブライアン・メイ、ロジャー・ウォーターズ、スティングといった100名以上のアーティストなどが共同で署名したオープンレター(公開書簡)を英The Timeで発表した。

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 そこには「恥ずべき失敗」と政府を批判し、「ミュージシャンに約束された自由な移動について、EUと終結した取引には大きな穴があります。これからヨーロッパのツアーに関わる者すべては、高額な労働許可と、機材のために山のような事務処理に追われることになります」

 「私たちは政府に対し、有言実行し、イギリスのアーティストとその機材がヨーロッパで事務処理なしに動けるようにすることを要請します。そしてヨーロッパのパフォーマーをイギリスで見たいファンと彼らを呼ぶことを願っている会場のホストのために取引は相互的であるべきです」

 ちなみにイギリスでは英音楽連合のMusician’s Unionが代表となり、アーティストが1度のビザ申請で長期的にヨーロッパで自由にツアーができるように、ミュージシャンがツアーで使える特別パスポートを作ってほしいという嘆願書を作っている。署名サイトchange.orgでは、これを支持する11万人以上の署名が集まっている。(フロントロウ編集部)

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