ディズニーが、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートとディズニーランド・パークにある人気アトラクション「ジャングルクルーズ」をアップデートすると発表。一体、どんな風に生まれ変わる?(フロントロウ編集部)

ジャングルクルーズが新しく生まれ変わる!

 ウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下にあるディズニー・パークスが、以前から“改変の次なる標的”として名前が挙がっていた人気アトラクション「ジャングルクルーズ」をアップデートすることを発表した。リニューアル後は他の文化の描写における人種差別的な箇所を取り除き、より包括的な内容に生まれ変わる。

 対象は、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにあるマジック・キングダムと、カリフォルニア州アナハイムのディズニーランドで、2021年内に着工予定だという。

 ジャングルボートと呼ばれる船に乗って、ゾウやワニ、ライオンといったジャングルに生息する様々な野生動物に遭遇できる探険ツアーが売りのジャングルクルーズは、世界で最初のディズニーパークであるカリフォルニアのディズニーランドに開園当初から存在する人気アトラクションのひとつ。

画像: ジャングルクルーズが新しく生まれ変わる!

 俳優のドウェイン・ジョンソン主演で、同アトラクションをテーマにした映画の公開も予定されているが、オーディオアニマトロニクスと呼ばれるしゃべったり、動いたりする人形によって再現された先住民のキャラクターを“首狩り族(※)”として描写していたり、白人のキャラクターが先住民のキャラクターを「野蛮人」と表現していたり、一部、人種差別的な内容が以前から問題視されていた。
※首狩りを行なう部族のこと。ちなみに、首狩りとは人間を殺し、首級をあげることを中心とした古い宗教的な慣行のひとつ。インドネシア、オセアニア、インド、アフリカ、南アメリカなどで広く見られた慣習だが、今ではほとんど消滅したと言われる。

既存のストーリーをもとに人種差別的な表現を“ゼロ”に

 ディズニーによると、まったく違う内容のものに変更するのではなく、既存のストーリーをもとに、人種差別的な表現や現代社会の風潮に合わないシーンをなくし、整合性を図るために新たな物語を“追加”する予定とのこと。

 以下、ディズニーが公開した新生ジャングルクルーズのコンセプトアート。

 例えば、上の有名なサイのポールのシーンについて、今回のアップデートに携わっているディズニーのイマジニアは、「その場面を再構築するのではなく、物語性とストーリーテリングを加えて、物事に命を吹き込み、その瞬間を川沿いの他の出来事と結びつけようとしているだけなんだ」と説明している。

 また、ドウェイン主演の実写映画『ジャングル・クルーズ』のストーリーやキャラクターが反映されることもないそう。

 ちなみに、ご存じの方も多いと思うが、昨年、黒人に対する人種差別に抗議するムーブメント「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター/黒人の命も価値がある)」の後押しによって、スプラッシュ・マウンテンの改変が決定。昔から黒人描写に関して批判の声が絶えなかった1946年公開のディズニー映画『南部の唄』ではなく、ディズニーアニメ史上初の黒人プリンセスであるティアナをフィーチャーしたアニメ映画『プリンセスと魔法のキス』の世界観や、物語の舞台となったルイジアナ州南部のニューオーリンズの風景をテーマにしたライドに生まれ変わる予定となっている。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.