『ハイスクール・ミュージカル』でモニーク・コールマンが演じたテイラーのファッションで印象的だったヘアバンド。しかしそこには、ある悲しい思い出があった。(フロントロウ編集部)

『HSM』テイラーのヘアバンド

 今から15年前の2006年に記念すべき第1作目が公開された映画『ハイスクール・ミュージカル』は、ザック・エフロンとヴァネッサ・ハジェンズが演じたトロイとガブリエラのカップルや、アシュレイ・ティスデイルが演じたシャーペイ、ルーカス・グラビールが演じたライアンなど、数々の魅力的なキャラクターが登場して一世を風靡した。

 今でも、『ハイスクール・ミュージカル』が1番好きな映画だと言うファンも少なくない本作で、ガブリエラの親友であり秀才のテイラーも人気キャラクターの1人。その性格もだけれど、彼女のファッションはファンの視線を集めた。

画像: 2006年のティーン・チョイス・アワードに登場した時の『ハイスクール・ミュージカル』のキャストたち。

2006年のティーン・チョイス・アワードに登場した時の『ハイスクール・ミュージカル』のキャストたち。

 とくに、ヘアバンドと洋服の組み合わせは、真似したくなるようなものだったことを覚えてる? しかし、テイラーの衣装デザインに、ヘアバンドは当初考えられていなかったそう。ヘアバンドが彼女のトレードマークとなった悲しい原因を、テイラーを演じたモニーク・コールマンが、米Insiderのインタビューで明かした。

 「その真実は、ヘアスタイリストさんたちが私の髪をやってくれたんだけど、前側がひどい仕上がりだったの。でもそれを直す前に撮影を始めなくてはいけなかった」

 黒人であるモニークの髪質は、白人キャストの髪質とは違う。そのことが原因で、完成したヘアセットがひどく、その対処としてヘアバンドをすることにしたという。ヘアバンドというアイディア自体もモニークが出したそうで、キャラクターを表現するものの1部として取り入れ、作品を通して様々なヘアバンドをすることに。

 モニークのセンスを感じさせるエピソードである一方で、映像業界の環境が黒人俳優のためには整っていなかったことが分かる。しかしモニークは、この15年で業界は成長したと感じているそうで、「私たちはこの業界で大きく成長した。レプリゼンテーションの中でも成長した。そして、アフリカ系アメリカ人の女性俳優が必要とするものに関しての理解も、大きく向上した」と話した。

画像: 『HSM』テイラーのヘアバンド

黒人モデルにも同じ問題がつきまとう

 モニークの経験は15年前の話だけれど、黒人の俳優やモデルが髪の毛が原因で困難に直面することは、まだまだ聞く話。2017年には、アフリカ系のフラ二族とアイルランド系白人の血を引くアメリカ人モデルのロンドーン・マイヤーズが、ショーのバックステージで、彼女の髪質が原因で、ヘアスタイリストたちが自分の髪の毛をセットしたがらないという状況は頻繁に起こることを明かした

画像: ランウェイを歩くロンドーン・マイヤーズ。

ランウェイを歩くロンドーン・マイヤーズ。

 ロイドーンやモニークの話からは、黒人の髪の毛をセットできる人が雇われていないとも言えるし、黒人の髪の毛をセットできなくても、一流の現場で仕事ができるプロと認められるとも言える。

 ロイドーンは、「黒人系のモデルの髪の扱い方を学んで欲しい」とコメントしていた。(フロントロウ編集部)

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