『ブリジャートン家』で描かれたダフネのマスターベーションのシーンについて、演じたフィービー・ディネヴァーが振り返った。(フロントロウ編集部)

人気爆発のNetflix『ブリジャートン家』

 Netflixで大ヒット中の『ブリジャートン家』が、配信開始から28日間(4週間)で、なんと8200万世帯で視聴されたという記録を打ち出した。これまでは、ダーク・ファンタジー・ドラマ『ウィッチャー』による7200万世帯が最高視聴記録となっていたけれど、『ブリジャートン家』はこの数字をゆうに超え、Netflix史上最も視聴されたオリジナルシリーズとなった。

 そんな本作の特徴は、時代劇版『ゴシップ・ガール』と呼ばれるようなストーリーや、きらびやかな衣装、様々な人種のキャラクターが登場することなどにあるけれど、シリーズを見た人なら記憶に残っているであろうシーンといえば、ラブシーン。 

 主役ダフネを演じたフィービー・ディネヴァーとレゲ=ジャン・ペイジによる公爵サイモン・バセットの姿はファンをキュンキュンさせたけれど、演じたフィービーは祖父母も含めた家族と一緒に見たそうで、ベッドシーンは早送りをしてどうにか乗り切ったという、可愛らしいエピソードもある。

女性のマスターベーションのシーン

 そんな本作のラブシーンの撮影では、インティマシー・コーディネーターが現場で俳優たちを守った。インティマシー・コーディネーターとは、ベッドシーンやキスシーンなどに臨む俳優をサポートする専門家で、ここ数年で多くの撮影現場で雇われるようになっている。

 『ブリジャートン家』のインティマシー・コーディネーターを務めたのはリジー・タルボットで、彼女によると、本作を通しては、セックスを女性の視点から描くことの重要性や、俳優が1人で演じなければいけないマスターベーションのシーンの難しさを感じたという。

画像: レゲ=ジャン・ペイジとフィービー・ディネヴァー。

レゲ=ジャン・ペイジとフィービー・ディネヴァー。

 そのことについて、英Glamourのインタビューで質問されたフィービーは、撮影は大変だったとはしながらも、そういったシーンの撮影ではセットにいる撮影スタッフは少なく、レゲとのシーンは一緒にスタントをこなすような感じで、安心して出来たと話す。

 しかしリジーが言ったように、マスターベーションのシーンは少し大変だったそう。とはいえ、リジーの存在によって非常に助かったと話した。

 「自分だけでは、それは違ったものになってくる。台本に書かれている指示はとても明確。オーガズムを演じなければいけない。それはリハーサルするには難しすぎるから、つまりリハーサルはしない。だたやるしかない。私はいつも、リジーがセットにいてくれてるってことを思い出してた。もしインティマシー・コーディネーターがいなければ、(演技を指導してくるのは)監督になって、それは男性で、私のところにきて私がなにをすべきかって言ってくる。それはちょっとね。リジーがそこにいるということで私はすごく安心できた。何かがおかしかったり、監督が違うことを求めたりする時には、監督はまずはリジーに話をする。もしリジーが私を守って、めんどうを見てくれるためにセットにいなかったら、この経験はすごく違うものになっていたと思う。(女性の)オーガズムの演技をどうやるかって、男性に指示されたいと思う人はいないでしょ(笑)」

 これまで、ポルノだけでなく多くの映像作品で、男性が求める女性のベッドシーンが描かれてきたことは、多くの女性が指摘している。そしてもちろん、見る側だけでなく演じる側も、そういったシーンの撮影には思うところあるのは当然のこと。

 フィービーだけでなく、Netflixドラマ『セックス・エデュケーション』の主演エイサ・バターフィールドや、ドラマ『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』のエル・ファニングなど、多くの若い俳優たちが、インティマシー・コーディネーターに感謝の気持ちを話してきており、今後も親密なシーンの撮影はより改善されていくと見られる。(フロントロウ編集部)

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