ディズニーによるアニメーション映画『アラジン』は、大人でも楽しめる。そんな作品が作り出された裏には、あるエピソードがあった。(フロントロウ編集部)

みんなから愛される『アラジン』のジーニー

 1992年に公開されたディズニーアニメーション映画の『アラジン』は、故ロビン・ウィリアムズによるランプの魔人ジーニーや、『ホール・ニュー・ワールド』などの音楽などによって大ヒット。2019年には実写版映画が公開され、各国で舞台ミュージカルも上演されるなど、今なお愛されている。

 ジーニーを演じたスタンドアップコメディアンで俳優のロビンは、2014年にこの世を去ってしまった。しかし彼の功績は多くの人の胸に刻まれており、実写版でジーニーを演じたウィル・スミスは、ロビンへの感謝のメッセージを送っているし、ロビンの死後に生まれた彼の孫は、アラジンのセル画を見て、祖父について学んでいるという。

画像: ロビン・ウィリアムズとミッキー。

ロビン・ウィリアムズとミッキー。

ロビン・ウィリアムズの功績

 『アラジン』のヒットについて語る時、ロビンについて話さずにはいられない。それどころか、本作の監督であるロン・クレメンツは、ロビンの演技がアニメーション映画というものすら変えたと考えているという。米Varietyへの寄稿文のなかで、クレメンツ監督はこう綴った。

 「ロビンはアニメーション映画の捉えられ方を変えた。彼の素晴らしいコメディによって、大人もアニメーションに惹かれたし、それは当時としては新しいことだった。そして彼は当時、アニメーション映画に起用された最も有名な人の1人でもあった。これは明らかにしておきたいけど、私たちはロビンが有名だから起用したかったわけじゃない。彼があの役に適役だったから起用したかった。彼の才能は何か新しく、革新的なものをディズニーのアニメーション作品に持ち込んでくれると思ったし、それはエキサイティングで楽しいことになると思った。そしてもちろん、彼はそうしてくれた!」

画像: ロビン・ウィリアムズの功績

 『アラジン』の前には、『グッドモーニング, ベトナム』や『いまを生きる』などへの出演で高い評価を受けていたロビンの演技は、アニメーション映画は子供だけのものという枠を壊したといえる。

 そして、そんな彼の演技は、ぱっとすぐに作られたわけではないという。クレメンツ監督によると、レコーディングの初日には3分程度の予定だったシーンの収録をしたのだけれど、25回のテイクを通して最終的に20分の長さに。シーンが長くなっていったのは、もちろんロビンが様々な演技やアイディアを試したからであり、その日の最後には、ロビンは汗だくになっていたという。

 このことから、声のレコーディングであっても、彼が身体中を使って演技していた様子が目に浮かぶ。そんな撮影では、ジーニーのアニメーターがスタジオから退出させられるという出来事も。なぜなら、ロビンの演技が面白すぎて笑いがこらえられず、収録の邪魔になってしまったから! 

 ロビンがどれだけ全力でジーニーを演じたのかが分かるこのエピソード。彼の演技は、これからも多くの人を笑わせていくだろう。(フロントロウ編集部)

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