カントリーシンガーのモーガン・ウォレンが、黒人に対する差別用語であるNワードを使用していたとしてレーベルとの契約が無期限で停止となった。(フロントロウ編集部)

人種差別用語を使用している映像が公開

 1月8日にリリースした最新アルバム『Dangerous: The Double Album(デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム)』が米Billboardの全米アルバムチャートで4週にわたって首位を獲得するなど、ヒットとなっているカントリーシンガーのモーガン・ウォレン(27)だけれど、人種差別用語を使用したとして、キャリアの正念場に立たされることとなった。

 一連の発端となったのは、米TMZが入手したモーガンの映像。そこには、テネシー州ナッシュヴィルの自宅で友人たちと夜に大声で話しているモーガンの姿が映っており、モーガンはそこで、友人に対して黒人への人種差別用語であるNワードを使用していた。

画像: 人種差別用語を使用している映像が公開

 モーガンは米TMZの取材に対し、Nワードを使用していたことを認めて、「恥ずかしさと共に、申し訳なさを感じています」と述べた上で、「許されない不適切な人種差別用語を使用しました。撤回することができたらと思っています。このような言葉を使うことは決して許されることではありません。そのような言葉を使用したことを心から謝罪します。より良い振る舞いをしていくことを約束します」と謝罪の言葉を述べた。

レーベルとの契約などが無期限停止に

 しかしながら、モーガンがここ数ヶ月の間に問題を起こしたのは今回が初めてではなく、2020年10月には、米大人気バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』への出演が決まっていた直前に、新型コロナウイルスの感染防止のための規制に違反し、バーでパーティーをして複数の女性にキスをしていたとして、番組への出演が延期となっていた。

 今回、モーガンの所属レーベルであるリパブリック・レコード傘下のビッグ・ラウド・レコードは米現地時間2月3日、モーガンが人種差別用語を使用したことを受けて彼との契約を無期限停止とすることを発表。「最近の出来事を受けて、ビッグ・ラウド・レコードはモーガン・ウォレンとのレコード契約を無期限停止とすることを決めました。リパブリック・レコードはビッグ・ラウドの決断を全面的に支持し、そのような振る舞いは看過されるべきでない(という表明)に同意します」と声明を発表した。

 今回の報道を受けてモーガンの音楽に対する扱い方を変えることに決めたのはレーベルだけでなく、400局以上ものラジオ局を所有するキュミュラス・メディア社の要望に従い、大手ラジオ局のiHeartRadioがモーガンの楽曲を放送禁止にすることを決めたほか、同じく200局以上のラジオ局を所有するエンターコム社も同様の措置を取っている。

 加えて、アカデミー・オブ・カントリー・ミュージック・アワード(ACM)も今回の報道を受けて、第56回となる今年の授賞式の対象からモーガンを除外することを発表した。

カントリーシンガーたちが反応

 モーガンの報道を受け、マレン・モリスらカントリーシンガーたちもSNSで反応を示しており、ゼッドとの「The Middle」で知られるマレンは、モーガンが昨年問題を起こしたにもかかわらずつい最近まで活動できていたことについて言及。

 「これは私たちの界隈を表していると思う。なぜなら、これは彼にとって初めての『揉め事』じゃなかったのに、先月、ストリーミングで記録を打ち立てたでしょ。私たちはみんな、彼がその言葉を使ったのが初めてではないことを知っていた。そういう人たちをリッチにしているのは私たちで、罰則を与えることなく全力で守ってきたの」とツイートして、モーガンが既に問題を起こしていたにもかかわらず彼のプロモーションを停止してこなかったことを批判した。

 一方、キャサディー・ポープは、今回の問題が「カントリーミュージックの全体を表しているわけではない」としつつも、「『申し訳ありません』は、行動で示した時に重さを得る。今後、なされるべき行動が起こされるか見てみましょう。変化が起きることを信じているけど、パフォーマンス的ではないものを望んでる」とツイートして、取り繕ったような形だけの変化だけがもたらされないことを望んでいると述べた。

(フロントロウ編集部)

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