映画化は難しいと言われ続けているフランク・ハーバートによる『デューン』シリーズを、豪華制作陣が映像化した2021年版『DUNE/デューン 砂の惑星』。じつは、キャストもすごい!(フロントロウ編集部)

壮大すぎて映像化が難しいと言われる『デューン』

 1965年にアメリカ人作家のフランク・ハーバートによって第1作目が発表され、1985年までに全6作が世に送り出されたSF小説の『デューン』シリーズ。その独特の世界観からファンは多いのだけれど、その独特の世界観が原因にもなり、映画化が困難とされている。

 過去には、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が、サルバドール・ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズを俳優として、ダン・オバノン、メビウス、ピンク・フロイドを制作陣として集結させ、なんと12時間に及ぶ上映時間で『デューン』を映画化しようとしたけれど、撮影を前に中止となってしまったという豪華すぎる逸話があるほど。

 1984年に、ディノ・デ・ラウレンティスが製作総指揮を務め、デヴィッド・リンチ監督によってついに映画『デューン/砂の惑星』が完成したが、様々な要因から、評価は低い。

2021年版『デューン』、時代が世界観に追いついた

 しかし2021年、『デューン』がふたたび映画化される。監督を務めるのは、『ブレードランナー 2049』や『メッセージ』などの作品によって、その映像力に評価が高いドゥニ・ヴィルヌーヴ。そして音楽を手がけるのは、『インセプション』や『ダークナイトライジング』といったクリストファー・ノーラン監督作品や、アニメーション版『ライオンキング』などで作曲を担当したハンス・ジマー。予告編からも、その世界観を映像化するための技術に、ようやく時代がたどり着いたことが感じられ、ファンの熱気は高まっている。

 そしてやはり、主役のポール・アトレイデスをティモシー・シャラメが演じることも、期待が高めるポイント。84年版に出演後、日本でも高い人気を得たカイル・マクラクランのポウルも、正統派の貴族といった雰囲気でポウルらしかったけれど、ティモシーは、作品の雰囲気に溶け込む個性派俳優として存在感を放ちそう。

 また、『DUNE/デューン 砂の惑星』には、ティモシー以外にも多くの有名俳優が出演する。そこで今回は、『DUNE/デューン 砂の惑星』のキャストたちを深堀り。


ティモシー・シャラメ/ポール・アトレイデス

画像: ティモシー・シャラメ/ポール・アトレイデス

 主人公で、アトレイデス家の子息ポール・アトレイデスを演じるティモシーの代表作といえば、2017年公開の映画『君の名前で僕を呼んで』。本作で数多くの映画賞にノミネートされたティモシーだけれど、その前から様々な作品で存在感のある演技を見せており、『インターステラー』では若い頃のトム・クーパーを、『マイ・ビューティフル・デイズ』では不器用で純粋なビリーを演じた。

 その後も、『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』、『レディ・バード』、『ビューティフル・ボーイ』、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』といった話題作への出演は絶えず、さらに、『チョコレート工場の秘密』の名キャラクターであるウィリー・ウォンカを演じるのではないかというウワサまである。

 中性的な雰囲気も魅力の1つであり、どんな役柄でも演じられる個性派俳優としてすでに地位を確立しているティモシーはどのようにポールを演じるのだろうか。


ゼンデイヤ/チャニ

画像: ゼンデイヤ/チャニ

 ディズニーチャンネルの『シェキラ!』で一躍有名になり、MCU『スパイダーマン』シリーズのミシェルとして人気を博すゼンデイヤは、ポールと親しくなる砂漠の民フレーメンの娘チャニを演じる。

 残念ながらチャニの登場は多くないそう。しかしゼンデイヤとティモシーは、撮影期間中にはゼンデイヤの部屋で一緒にダンスパーティーをするほど仲良くなっており、プライベートで一緒に出かけたり、ゼンデイヤの誕生日には、普段はそこまでSNSを更新しないティモシーが、公開誕生日メッセージを送ったりしていた。


ステラン・スカルスガルド/ウラディミール・ハルコネン男爵

画像: ステラン・スカルスガルド/ウラディミール・ハルコネン男爵

 84年版を見た人々に、吐き気とトラウマを植えつけたウラディミール・ハルコネン男爵は、スウェーデン出身のステラン・スカルスガルドが演じる。

 ステランといえば、色々な意味で“ヤバい”キャラを演じるのを得意としており、『ドラゴン・タトゥーの女』ではマルティン・ヴァンゲルを、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズではビル・ターナーを演じた。

 ちなみに、彼の子供たちにも奇才を放つ演技の血は受け継がれており、ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』でペリー・ライトを演じたアレクサンダー・スカルスガルドと、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』でペニーワイズを演じたビル・スカルスガルドはステランの子供たちである。


ハビエル・バルデム/スティルガー

画像: ハビエル・バルデム/スティルガー

 フレーメンのリーダーであるスティルガーは、ハビエル・バルデムが演じる。

 スペイン出身のバビエルは、多くの情熱的な作品に出演してきた印象がある一方で、2001年にスペイン人として初めてアカデミー賞にノミネートされ、その後も『海を飛ぶ夢』や『ノーカントリー』、『BIUTIFUL ビューティフル』など、高い評価を受けた作品に出演。

 また、『007 スカイフォール』で悪役のシルヴァを、2022年に公開予定のディズニー『リトル・マーメイド』では海の王トリトンを演じるなど、多岐にわたるキャラクターを演じる演技力でも知られる。


レベッカ・ファーガソン/レディ・ジェシカ

画像: レベッカ・ファーガソン/レディ・ジェシカ

 ポールの母レディ・ジェシカを演じるのは、レベッカ・ファーガソン。『ドクター・スリープ』のローズ・ザ・ハットとして印象的な彼女は、『ミッション:インポッシブル』シリーズでイルサ・ファウストを演じる。

 レベッカも、ポールの父を演じるオスカー・アイザックも、プライベートでは子供を育てているため、ティモシーとも熱のこもった演技を見せてくれそう。


オスカー・アイザック/レト・アトレイデス公爵

画像: オスカー・アイザック/レト・アトレイデス公爵

 ポールの父であるレト・アトレイデス公爵は、これまでに『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』や『エクス・マキナ』などの作品に出演してきたオスカー・アイザックが演じる。

 『スター・ウォーズ』続3部作でポー・ダメロンを演じ、知名度があがった彼は、マーベルドラマ『ムーンナイト』で主演を務めると見られている。


ジョシュ・ブローリン/ガーニイ・ハレック

画像: ジョシュ・ブローリン/ガーニイ・ハレック

 1984年版でパトリック・スチュワートが演じたガーニイ・ハレックは、現在も当時から外見が変わらないパトリックにふたたび演じてほしかった気もするけれど、本作では、MCU映画でサノスを演じたジョシュ・ブローリンが起用されるとなれば、それはそれで見てみたい。

 ジョシュは、映画『ブッシュ』でジョージ・W・ブッシュを演じ、『ミルク』でダン・ホワイトを、はたまた『メン・イン・ブラック3』ではトミー・リー・ジョーンズ演じるエージェントKの若かりし頃を演じてきており、すでに視聴者の頭の中にイメージがある人物像を演じきる能力に、今回も期待。

 また、“パグを抱いて戦いに臨むガーニイ”の姿は今回も見たいと願うファンは多いはず。


ジェイソン・モモア/ダンカン・アイダホ

画像: ジェイソン・モモア/ダンカン・アイダホ

 アトレイデス家のソードマスターであるダンカン・アイダホを演じるのが、様々な人種の血を引き、趣味が“斧投げ”であるジェイソン・モモアであることには、期待が高まる。

 ダンカン・アイダホの戦闘シーンがどのような映像になるのか気になる心は、今の時点では、彼が演じたドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のカール・ドロゴや、DCEUのアクアマンの姿を見て落ち着かせておこう。


シャーロット・ランプリング

画像: シャーロット・ランプリング

 ベネ・ゲセリットのトップであり、シャッダム四世のアドバイザーであるガイウス・ヘレン・モヒアムは、シャーロット・ランプリングが演じる。

 イタリア映画『愛の嵐』やフランス映画『まぼろし』などに出演してきたイギリス人俳優のシャーロットは、1974年にSF映画『未来惑星ザルドス』に出演している。果たして『DUNE/デューン 砂の惑星』では、どのような演技を見せてくれるのだろうか。

 1984年版でミュージシャンのスティングが演じたことで注目を集めたフェイド・ラウサや、シャッダム四世のキャストはいまだ隠されたまま。すでに期待が高まる情報が多い一方で、続報も待たれる『DUNE/デューン 砂の惑星』。公開を心待ちにしたい。(フロントロウ編集部)

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