Photo:ゲッティイメージズ,スプラッシュ/アフロ,ニュースコム
マリリン・マンソンから過去に精神的・身体的虐待を受けたと被害告発を行なう女性が相次ぐなか、ある人気ロックバンドの女性ボーカルが、マリリンに小型カメラを使ってスカートの内部を盗撮されたという不適切な行為を打ち明けた。(フロントロウ編集部)

※この記事には、虐待やセクシャル・ハラスメント、レイプに関する描写が含まれます。

マリリン・マンソン、音楽フェスでのセクハラを女性歌手が告発

 2007年から2010年の約3年間、ミュージシャンのマリリン・マンソンと交際し、破局前の数カ月間は婚約もしていたドラマ『ウエストワールド』の俳優エヴァン・レイチェル・ウッドが、以前からインタビューやSNSなどで「身体的、精神的、性的な虐待の被害に遭っていた」と語っていた“虐待者”の正体がマリリンであるとインスタグラムへの投稿で名指しにして告発を行なってから10日が経った。

画像: エヴァン・レイチェル・ウッド

エヴァン・レイチェル・ウッド

 マリリンが、出会った当時まだ19歳で未成年者だった自分に性的搾取を行うことを目的に接近して精神的に支配する「グルーミング(Grooming)」を行なったことを告発し、「服従するよう、洗脳され、操られた」などと明かしたエヴァンに続き、過去にマリリンと関係があった女性たちが、続々と、自身もマリリンから精神的・身体的虐待を受けたとSNS上で被害を訴えた。

 告発者の数が10人を超えるなか、マリリンからセクハラ行為を受けたとして、ロックバンド、ウルフ・アリスのボーカル、エリー・ロウゼルが数年前に音楽フェスティバルでの出来事を振り返った。


GoProでこっそりスカートの中を撮影

 ツイッターでエヴァンや彼女に続いた告発者の女性たちへの支持を表明したエリーは、世間には「彼を擁護している人たちがいることが悲しい。(パフォーマンスとして)邪悪さを前面に出しているからって、女性を虐待していいという免罪符にはならないよね? 」と連続ツイートを開始。

画像: ウルフ・アリス(Wolf Alice)のボーカル、エリー・ロウゼル

ウルフ・アリス(Wolf Alice)のボーカル、エリー・ロウゼル

 2つ目の投稿で、自身がマリリンから受けた屈辱的な行為についてこう告発した。

「数年前、とある音楽フェスのバックステージでマリリンに会った。彼は私のバンドを褒めていたけれど、次第にそれが大袈裟になって、なんだか怪しいなと思った。下を見たら、彼はGoProで私のスカートの中を撮っていた」

 GoProとは、小型かつ軽量で防水性や耐久性にも優れているため、アマチュアからプロのカメラマンまで広く愛用されているアクションカメラのこと。ユーチューバーにも頻用されている、GoProの目立たなさを悪用して、マリリンは、なんとエリーと会話をするフリをしながら彼女のスカートの中を隠し撮りしていたという。


マリリンへのお咎めは無し

 エリーはマリリンのツアーマネージャーに、被害を報告したそうだが、「彼はこういう事をするのは日常茶飯事」だと言われ、マリリンが注意を受けたり、罰を与えられたりすることはなかったという。

画像: マリリンへのお咎めは無し

 その時は泣き寝入りするしかなかった様子のエリーだが、「いつも、ああいう事をしていたんだとしたら、彼はなぜ何年間も音楽フェスのヘッドライナーを務めることができたんだろう? 私たちは、一体いつになったら女性差別者たちが成功にかこつけて卑劣な行為を行なうのを阻止するの?」と問題提起。「音楽界という男性優位の業界で、女性は安全だと感じる必要がある」と続けた。


マリリンを黙認し続けた側近たちにも非難

 エリーがシェアしたマリリンのツアーマネージャーからの反応が証明するように、マリリンの側近たちは、10年以上前から彼が女性たちに対して虐待や不適切な行為を行なっていたことを知っていたと言われている。

 マリリンとエヴァンが交際していた当時、ツアーに同行していたという元スタッフは、エヴァンがマリリンからひどい仕打ちを受けているのを目の当たりにしたことがあり、交際開始から約1年間でエヴァンの精神が崩壊し、「まったく違う人のようになってしまった」とツイッターで明かしていた。

画像: 2007年、交際当時のエヴァンとマリリン。

2007年、交際当時のエヴァンとマリリン。

 マリリンは女性たちによる告発は「事実の歪曲」であり、すべての行為は「合意の上だった」と主張しているが、今回の件で、所属レーベルのロマ・ヴィスタ・レコーディングスやマネージメント会社からも契約を打ち切られた。

 しかし、彼の不適切な行動の数々を知りながら、それを黙認し、女性たちを救おうとしなかった側近たちにも、世間から厳しい視線が向けられている。


女性シンガーが「レイプ部屋」を見せられたと告白

 マリリンの大ファンだったというシンガー・ソングライターのフィービー・ブリジャーズは、10代の頃にマリリンの自宅に行ったことがあるとツイッターを通じて告白。

画像: フィービー・ブリジャーズ

フィービー・ブリジャーズ

 フィービーは、自身が虐待や性的暴行などの被害を受けたとは明かしていないが、マリリンに家の中を案内された際、彼がある部屋のことを「レイプ部屋」だと言っていたと明かした。当時は、趣味の悪い冗談だと思ったというが、フィービーは、それを機にファンをやめたとも綴っている。

 フィービーもエリーと同様、マリリンによる虐待を告発した人々への支持を表明。さらに「所属レーベルもマネージメントチームもバンドメンバーも、みんな(マリリンの悪行を)知っていた。今になって距離を置いて、ショックを受けたり恐れおののいたフリをするのは、すごく情けないよ」と締めくくった。(フロントロウ編集部)

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