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リアーナが公開した、男性用のボクサーパンツにジュエリーを身につけたセクシーな1枚に一部の人々から非難が寄せられている。一体何が問題? (フロントロウ編集部)

リアーナ、男性用下着にジュエリーを組み合わせた写真を投稿

 シンガーのリアーナは、先日、大手メゾンLVMHとの連携で手がけてきたハイファッションブランド「フェンティ(Fenty)」の運営を休止することを発表したばかりだけれど、コスメやスキンケア、ランジェリーといった、そのほかの監修ブランドはいずれも絶好調。

 とくに、2018年に設立した、多様性や包括性を重視したランジェリーブランドのサヴェージ×フェンティ(SavagexFenty)は大成功を収めており、コロナ不況をものともせず、2020年は前年比200%の増収。米経済誌Forbesの最新の発表によると、同ブランドの査定額は10億ドル(約1059億円)を突破したという。

画像: リアーナ、男性用下着にジュエリーを組み合わせた写真を投稿

 昨シーズンからは、女性用ランジェリーやラウンジウェアだけでなく、男性用下着やラウンジウェアのコレクションも発表。

 ランジェリー業界にとって“書き入れ時”であるバレンタインシーズンが終わった直後、リアーナは、メンズコレクションの1着であるラベンダーカラーのサテンのボクサーパンツだけを着用し、上半身は同系色のジュエリーを重ねづけしただけというトップレスのスタイリッシュでセクシーな写真をインスタグラムで公開した。


「文化の盗用」と指摘を受ける

 一見、男女の壁を取り払ったユニセックスでクールな1枚のように見えるこの写真だが、一部の人々からは、「文化の盗用」(※)を指摘するコメントが寄せられている。

※文化の盗用(Cultural Appropriation):ある民族や宗教の文化的要素を、その文化に属していない人たちが取り入れること。

 その理由は、リアーナが首に掛けているネックレスのモチーフが、ヒンドゥー教の人々にとってはとても神聖な存在である、象の顔をした神様「ガネーシャ」をかたどったものだったから。

画像: ©Rihanna/Instagram

©Rihanna/Instagram

 リアーナがヒンドゥー教を信仰しているという話は聞いたことがなく、単なるファッションの一部として神様であるガネーシャを“利用された”と感じた人々からは、「あなたが着けているネックレスは、私たちにの文化にとっては神聖なものなんだよ」、「私たちの文化をあなたのコスチュームにしないで」、「影響力がある立場なんだから、ちゃんと意味を調べてから着けてよ」といった嘆きと不快感が入り混じった声が上がっている。

画像: シカゴ美術館に展示されている「ガネーシャ」の像。

シカゴ美術館に展示されている「ガネーシャ」の像。

 ガネーシャは力、至福、英知の神様として崇拝されており、さらに、すべての人への優しさや慈悲を司る存在でもある。

 最近では、ヒンドゥー教の信者以外でも、学業成就や商売繁盛お守りや邪気払いのインテリアとしてガネーシャをそばに置く人も多いが、ヒンドゥー教信者の人々の中には、そういった行動が文化の盗用であり、軽率だと感じ、良く思わない人もいる。


リアーナが「ガネーシャ」を選んだのには理由が?

 文化や宗教をアクセサリー感覚で利用されたと感じた人がいる一方で、リアーナが「ヒンドゥー教に敬意を払ってくれているのなら、それでいい」という意見を述べる人もいる。

 さらに、リアーナがガネーシャを選んで身につけたのは、「もしかしたらきちんとした思惑があったのではないか? 」と推測する人も。

画像1: リアーナが「ガネーシャ」を選んだのには理由が?

 というのも、リアーナは、半月ほど前に、ヒンドゥー教信者が多いインドで起きている、農産物の自由化に反対する農民たちによるデモについて言及したばかり。

 農民たちは、取引が自由化されることで、従来の流通経路が崩れ、大手スーパーなどの民間業者から農産物を安く買いたたかれて収入が減ることを不安視して、インド政府に抗議を行なっているのだが、政府は勢いを増すデモを制圧するために、抗議に参加している農家のインターネットを遮断。

 リアーナはこのニュースを伝えた米CNNの記事を引用し、「私たちはなぜ、この件に関して話題にしていないの!? 」と、インドだけでなく世界中の人々がこのデモに注視すべきだと促した。

 環境活動家のグレタ・トゥンベリも農民たちへの支持をアピールしたが、インド政府は、著名人らのコメントに関して「的確さや責任を伴ったものではない」、「インドという国の団結を脅かすもの」だと声明を通じて抗議している。

 リアーナがガネーシャのネックレスを着用したことと、インドの農民デモに実際に関連があるかどうか、リアーナは現時点では、この件に関して反応していないのでわからない。

 しかし、もしそういった意図があったとしても、リアーナが下着姿にガネーシャを身につけるのは“お門違い”なのではないかといった声もある。

画像2: リアーナが「ガネーシャ」を選んだのには理由が?

 リアーナが、ある宗教にとって神聖なものを取り入れたことで非難を浴びたのは今回が初めてではなく、2020年10月にAmazonプライムでも配信されたサヴェージ×フェンティのファッションショーでは、イスラム教の預言者ムハンマドの言行録「ハディース」の一節が使われた楽曲をBGMとして使用したことが問題に

 リアーナは、イスラム教コミュニティから指摘が殺到したことを受け、「意図的ではなかったものの、不快で重大なミスを指摘してくださったイスラム教コミュニティに感謝します。そして、何より、今回の不注意な誤りに関して謝罪します」などと声明を通じて真摯に謝罪した。(フロントロウ編集部)

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