Photo:ゲッティイメージズ,スプラッシュ/アフロ,ニュースコム
マリリン・マンソンと過去に関係があった女性たちから精神的・肉体的虐待を受けたという告発が相次ぐなか、ついにロサンゼルス警察が捜査に向けて動き出したと米メディアが報じている。(フロントロウ編集部)

※注意:この記事には虐待/DVに関する描写が含まれます。

マリリン・マンソンに対する告発をめぐり警察が動き出す

 19歳だった2007年から2010年まで約3年間にわたってミュージシャンのマリリン・マンソンと交際し、破局前の数カ月間は婚約もしていたドラマ『ウエストワールド』の俳優エヴァン・レイチェル・ウッドが、米現地時間の2月1日、以前から被害を公表していた、自身にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を負わせるほどの凄惨な虐待をくわえてた人物がマリリンであると、インスタグラムに投稿した声明を通じて名指しにして告発

画像: 交際当時のエヴァンとマリリン。

交際当時のエヴァンとマリリン。

 これをきっかけに、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演した俳優のエスメ・ブランコやモデルのサラ・マク二―リー、ロックバンド、ウルフ・アリスのボーカルのエリー・ロウゼルといった著名人らを含む、十数名の女性たちが、マリリンから同様の虐待被害や性的暴行、セクハラを受けたと自らの体験を公にした。

 これらの告発をめぐり、ついにロサンゼルス郡保安官事務所が被害告発者の1人と対面し、事情聴取を行う準備をしていると、米TMZが伝えている。

 情報提供者によると、ロサンゼルス郡保安官代理は、被害告発者から話を聞くことにより、マリリンと被害告発者のあいだで実際に“犯罪”とみなされる事件が起きたのか、この件が彼らの管轄下にあるのか、そして、さらに捜査を進める正当な理由となり得るのかを判断したいと考えているという。


R.ケリー起訴・逮捕のパターンと似ている?

 まだ初歩の段階ではあるものの、警察が捜査に向けて動き出していることは確か。

 マリリンは、すべての告発について「事実の歪曲」、「合意の上だった」と否定しているが、相次ぐ女性たちの告発を受けて、警察が捜査に踏み出そうとしているというこのパターンは、10年以上にわたり、未成年を含む何人もの女性たちに性的虐待を行なってきたことが明るみになり、性的暴行や強姦、児童ポルノ所持、未成年誘惑といった罪で起訴・逮捕されたシンガーのR.ケリーの前例と似ている。

画像: 法廷に立つR.ケリー。

法廷に立つR.ケリー。

 ケリーの場合は、日本でもHuluやAmazonプライム・ビデオなどで『サバイビング・R.ケリー:全米震撼!被害女性たちの告発』というタイトルで配信されたドキュメンタリー番組の放送がきっかけ。2019年、米Lifetimeで放送された同番組の放送を受け、世間の関心が高まったことで、警察の捜査が開始。その結果、余罪なども浮き彫りになり、ケリーの起訴・逮捕に至った。

 マリリンの場合は、女性たちが個々でSNSやメディアとのインタビューを通じて被害を告発しているが、世間での話題の大きさに警察が動き出す、という流れは共通している。

 第1告発者であるエヴァンは、カリフォルニア州のスーザン・ルビオ上院議員をはじめとする議員たちにはたらきかけ、FBI(連邦捜査局)に捜査開始を求めており、TMZは、FBIがロサンゼルス警察に、いくつかの情報を渡したと伝えている。FBIが捜査に関与するか否かは、現時点では明らかになっていない。


マリリンの現妻も虐待を受けていた 元アシスタントが証言

 2020年、マリリンは、10年以上の付き合いがあるフォトグラファーのリンジー・ユージッチと挙式して夫婦となったことが、親友で俳優のニコラス・ケイジによる米Interviewでの発言により明らかになったが、かつてマリリンのもとでアシスタントとして働いていたダン・クリアリーが、リンジーもマリリンによる虐待の被害者だと証言している。

画像: 2020年1月、妻のリンジーとチャリティイベントに出席したマリリン。

2020年1月、妻のリンジーとチャリティイベントに出席したマリリン。

 2014年から2015年にかけて、マリリンのアシスタントをしていたダンは、自身のポッドキャストの有料会員向けのエピソードで、マリリンがリンジーを押したり、彼女に物を投げつけたり、怒りにまかせて物を破壊するといった行動に出ているのを目撃したと告白。

 「マンソンが彼女に向かって、殺してバラバラにすると脅したり、僕に砂漠に埋めさせると言っていたことも何度かある」と話し、マリリンが部屋から去ったのを見計らい、自分が「君にそんなことはしないから安心して」などと、怯えるリンジーをなぐさめていたことも明かした。

 ダンは、ポッドキャストのなかで、自分が被害を目撃した女性としてリンジーの名前を明言したわけではないのだが、「かつてのガールフレンド」「現在の妻」という言い方をしたため、この女性がリンジーを指すことは明らか。

画像: マリリンの現妻も虐待を受けていた 元アシスタントが証言

 ちなみに、エヴァンは、告発後、リンジーから自身のイメージを傷つける写真を公開すると脅しを受けたとして、警察に届けを出したことを報告。

 エヴァンいわく、問題の写真は、彼女がまだ10代の頃、ラスベガスでドラッグやアルコールを大量に与えられて酩酊状態にあった際に撮影されたもので、ユダヤ系の血を引くエヴァンがマリリンが所有していたドイツ軍風のハットをかぶり、鼻の下にヒゲを描かれて、独裁者ヒトラーを模したように見えるものだったという。

 エヴァンは、リンジーがマリリンを擁護するため、自身を「黙らせ、キャリアを崩壊させようとしている」とインスタグラムストーリーを通じてコメント。リンジーは公には沈黙を貫いている。(フロントロウ編集部)

悩みを抱えて相談を必要としている方へ
■性暴力被害ワンストップ支援センター
性犯罪・性被害についての各都道府県の相談窓口。
窓口のリストはコチラ
■女性の人権ホットライン
配偶者やパートナーからの暴力、職場でのセクハラやストーカー、イジメなど、女性の人権トラブルの相談を受けつける法務省の専用窓口。
0570-070-810(8:30~17:15)

This article is a sponsored article by
''.