ディズニーランドのキャストがゲストに会話の内容を悟られないように使う「隠語」。なかにはその言葉からは想像もできないゾッとするような意味が隠されたものも。(フロントロウ編集部)

園内でトラブルが発生した場合は「隠語」で対処

 「夢の国」として世界中の人から愛されるディズニーランドの従業員は「キャスト」と呼ばれ、明るく元気に振舞う姿から、将来的にキャストとして働くことを夢見るディズニーファンも多い。彼らはつねに「お客様第一」の姿勢を貫くことを求められており、たとえば園内で何かトラブルが発生した際には、そのことをゲストに知られないよう、いわゆる「隠語」を使ってコミュニケーションを取るなどして配慮している。

画像1: 園内でトラブルが発生した場合は「隠語」で対処

 そのなかに「ホワイトパウダーアラート(White Powder Alert)」なるものがあるのだが、この隠語は一体どういう状況を意味しているのだろうか? 日本語に訳すと「白い粉警報」。夢の国っぽい感じでいうと“魔法の粉”? いや、そんなわけない。だとすると、薬物か何かだろうか?

 正解は魔法の粉でもなければ薬物でもなく、遺灰。説明するまでもないが、遺灰とは亡くなった人を火葬にしたあとに残る遺骨が粉末化したものである。でも、遺灰が関係するトラブルとは一体何なのか? じつはディズニーランドを愛してやまない人のなかには、「ディズニーランドに骨をうずめたい」「死んだあともディズニーランドにいたい」といった願望を抱く人も少なくない。ディズニーランドでは、そんなディズニー愛にあふれた人たちの遺族が園内で遺灰をまくという事例が後を絶たず、米Wall Street Journalによると、大体月に1回の頻度で発生しているという。

 その気持ちはわからなくもないが、あの隠語の裏にそんな事実が隠されていたなんてなんだかちょっとゾッとする…。ほかのゲストからすればあまり気分の良いものではないので、自分のまわりでそういった出来事があったと知って気分を害する人が出ないよう、キャストは「遺灰がまかれた」と言うかわりに「ホワイトパウダーアラート」という隠語を使って情報を共有しているそう。

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 それに、遺灰をまく行為はディズニーランドでは禁止されており、最悪の場合、出禁になることもある。禁止されている理由は倫理的なものによる部分が大きいが、もうひとつの理由として近年多発しているテロ事件があるという。というのも、「遺灰をまく行為」が化学兵器といった何らかの危険物質をまいていると勘違いされ、パニックを引き起こしかねないから。

 ちなみに、遺灰をまく人気スポットはどちらも死をテーマに扱っている、「カリブの海賊」と「ホーンテッド・マンション」だそう。(フロントロウ編集部)

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