アメリカのドミノ・ピザで働く従業員が公開した写真が話題になっている。(フロントロウ編集部)

テキサス州にあるドミノ・ピザ

 アメリカのドミノ・ピザで働く女性がフェイスブックに公開した1枚の写真が話題になっている。疲弊した2人の従業員が写された写真には、こんなコメントが添えられていた。

 「私たちは4時間開店していた。“4時間”。なのに、週末分ほどの食料がその数時間で消え去った。数えきれないほどの注文。私たちに向かって怒鳴る数えきれないほどの人々。ごめんなさいと言おうとした数えきれないほどの時」

This is what it looks like when we’ve worked our hardest. This is us. Dominos. Working hard. Serving you during this...

Posted by July DeLuna on Wednesday, 17 February 2021

テキサス州を襲った記録的寒波

 じつは、この写真が撮られたドミノ・ピザがあるのは、アメリカのテキサス州サンアントニオ。例年であれば2月の日中の気温は20℃前後となるテキサス州だけれど、今年2021年2月中旬には寒波に襲われ、各地でマイナス20℃前後を記録。

 それによって電力の消費量が増え、大規模停電が発生した。一時は330万の世帯や事業者で停電が起き、日本時間2月22日の時点で約3万の契約者がまだ電力を得られていないという。

画像: 雪が積もった街を歩く人々。(2021年2月15日にテキサス州オースティンで撮影)

雪が積もった街を歩く人々。(2021年2月15日にテキサス州オースティンで撮影)

 また、停電によって水の処理施設が停止し、水道管が破裂するなどの事態も確認されたため、水に関する被害を受けている市民は数百万にのぼるとされている。水が出る場合でも、煮沸してから使用するよう呼びかけられている。

 寒波の影響によって、火を焚いて暖を取ろうとして一酸化炭素中毒になったり、火事が発生したりして命を落とした人や、凍死した人もおり、寒波による被害が出ている他の州もあわせ、アメリカでは60人近くが死亡したと見られている。

画像: 水を準備するボランティアたち。(2021年2月20日にテキサス州ヒューストンで撮影)

水を準備するボランティアたち。(2021年2月20日にテキサス州ヒューストンで撮影)

ドミノ・ピザ従業員の思い

 ドミノ・ピザの従業員である女性によると、この写真が撮られた時には他のピザチェーン店は開店しておらず、よりオーダーが集中したよう。さらに女性は、そんな状況のなかでも店舗を開けた理由について思いを綴った。

 「これは、食料が無くなり、もう提供できなくなった時の私たち。自分たち用の食料もなかった。オーダーに対応するために諦めたから。ここへ来るために、自分たちの安全も諦めた。ここにいるために自分たちの時間も諦めた。みんなに食事を提供するためにリスクを負った。しなければいけないからという理由だけではなくて、人々を助けたくて、そして気にかけているから一生懸命に働いたということを分かってほしい」

 新型コロナウイルスの脅威も消え去っていないなかで、テキサス州を襲った寒波。停電や水不足によって料理ができない状況に陥っている家庭もあると予想できる。そのなかで食料を提供したドミノ・ピザの従業員の働きには称賛が送られ、特別な報酬などを呼びかける声もあがっている。(フロントロウ編集部)

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