Netflixが2021年こそ最多受賞となるか？
2021年も前年に引き続き、Netflixが42で最多ノミネート。とは言え2020年は本番で番狂わせが起きたことが記憶に新しい。第77回ゴールデン・グローブ賞では、Netflixが34で最多ノミネートしていたものの、結果は2受賞に留まり、テレビ部門ではHBOが、映画部門ではソニー、ユニバーサル、ワーナー、パラマウントの作品が健闘した。Netflixが今年こそ最多受賞となるのか、それとも、再び大手の放送局・映画配給会社が受賞を死守するのか？
女性監督たちが「史上初」に挑む
クロエ・ジャオ監督（左）と『ノマドランド』主演のフランシス・マクドーマンド（右）。
監督賞には3人の女性がノミネートし、1人以上の女性の同部門ノミネートは初となった今年。同部門ではアジア人女性として初のノミネートとなったクロエ・ジャオ（『ノマドランド』）か、黒人女性として2人目のノミネートとなったレジーナ・キング（『あの夜、マイアミで』）が受賞した場合は、有色人種の女性監督による史上初の受賞となる。さらに、『ノマドランド』または『プロミシング・ヤング・ウーマン（エメラルド・フェネル監督作）』が作品賞を受賞した場合は、ゴールデン・グローブ史上初の女性監督作品の作品賞受賞という歴史が作られる。
初のリモート開催での面白ハプニングに期待
ティナ・フェイ（左）とエイミー・ポーラー（右）
会場に立つ予定のプレゼンターたちがコロナ禍のなか遠方に移動しなくても良いように、NY（東海岸）とLA（西海岸）という、初の2海岸での開催となる2021年。W司会となる、ティナ・フェイがNYの会場に、エイミー・ポーラーがLAの会場に立つ一方、それぞれの受賞候補は自宅などからリモート参加する予定。同じく受賞者はリモート参加だった2020年のエミー賞では、受賞を逃した候補の家からトロフィーを持ったインターンが去っていく姿がバズったけれど、ゴールデン・グローブでもリモートならではの面白ハプニングが起こるかに期待。
2021年のスピーチでは時事ネタに触れられるのか？
ビッグアワードの受賞スピーチは、社会問題について問題提起する場として使われることが一般的。2020年のゴールデン・グローブでも、オーストラリアの山火事から女性の生殖の権利まで、各受賞者が熱い訴えを行なった。今年は、ゴールデン・グローブの主催団体HFPAに接待疑惑や多様性の低さといった問題が噴出している件や、ハリウッドのアワードでネタにされることが多かったドナルド・トランプ前大統領からの政権交代、新型コロナウイルスの脅威など、時事的な話題は多いため、誰が何を語るのかに注目が集まっている。とは言え、コロナ禍のアワードでは受賞スピーチはシンプルに短くまとめられる傾向にあるため、ゴールデン・グローブでも熱いスピーチが封印される可能性も。
ジェーン・フォンダから金言が飛び出すかも
エンターテイメントの発展に長年に渡って貢献してきた人に贈られる特別賞「セシル・B・デミル賞」の2021年の受賞者は俳優のジェーン・フォンダ。ゴールデン・グローブ賞8冠に輝いている大御所である一方、20代の頃から人種差別反対運動や戦争反対運動など多くのデモ活動に第一線で参加してきたアクティビストとしても知られるジェーン。社会的な活動のため30代の頃にはハリウッドでブラックリストに入れられ、80歳を超えた今でもデモのために逮捕されることもあるジェーンのスピーチでどんな色濃い思い出話や金言が飛び出すのか？ ちなみに、2019年に新設されたテレビ界での功労賞「キャロル・バーネット賞」は脚本家やプロデューサーとして知られるノーマン・リアに授与される。
第78回ゴールデン・グローブ賞授賞式は、日本時間の2021年3月1日午前中に開催される。
※エメラルド・フェネル監督の姓を「フェンネル」と記載していましたが修正しました。
