H.E.R.が「I Can't Breathe」で第63回グラミー賞の最優秀楽曲賞を受賞。この楽曲は、2020年5月に亡くなったジョージ・フロイド氏ら、警察によって殺害された黒人たちに捧げる楽曲となっている。(フロントロウ編集部)

H.E.R.の「I Can't Breathe」がグラミー賞最優秀楽曲賞に

 日本時間3月15日に第63回グラミー賞授賞式が行なわれ、H.E.R.(ハー)の「I Can't Breathe」が主要4部門の1つである最優秀楽曲賞を受賞した。

画像: 最優秀楽曲賞のトロフィーを受け取るH.E.R.と、「I Can't Breathe」を共作したティアラ・トーマス。

最優秀楽曲賞のトロフィーを受け取るH.E.R.と、「I Can't Breathe」を共作したティアラ・トーマス。

 最優秀楽曲賞にはH.E.R.のほか、ビヨンセの「Black Parade」、ロディ・リッチの「The Box」、テイラー・スウィフトの「Cardigan」、ポスト・マローンの「Circles」、デュア・リパの「Don't Start Now」、ビリー・アイリッシュの「Everything I Wanted」、JPサックスとジュリア・マイケルズの「If The World Was Ending」がノミネートされていた。

 「ジューンティーンス」と呼ばれる2020年6月19日の奴隷解放日にリリースされた「I Can't Breathe」は、2020年5月に亡くなった故ジョージ・フロイド氏ら、警察によって殺害された黒人たちに捧げる楽曲。「アイ・キャント・ブリーズ(息ができない)」という言葉は、白人警官によって首を押さえつけられ死亡した黒人ジョージ・フロイド氏が亡くなる直前に残した言葉で、アメリカ警察による、黒人に対する暴力と人種を起因とした、黒人に対するすべての暴力に抗議するための運動「ブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)」におけるスローガンの1つとなった。

 「I Can't Breathe」では次のように歌われている。「息ができない/私の命が奪われようとしている/息ができない/誰か私のために闘ってくれますか?」。

 H.E.R.は受賞を受けて「I Can't Breathe」を共作したティアラ・トーマスと共に登壇して、「アーティストとしてこれほど誇りに思ったことはありませんし、ノミネートされていた全ての方々の楽曲が私にとっての『最優秀楽曲賞』です。すべて素晴らしかったです」と、共にノミネートされたアーティストたちへの賛辞を述べた上で、「自分の恐怖や痛みがインパクトへと変わり、それが変化にもなり得るなんて想像していませんでした」とコメント。

 「覚えておいてください。自分たちこそが、私たちが見たいと望んでいる変化です。2020年の夏に起こした闘いの時にあったエネルギーを持ち続けましょう」とH.E.R.は続け、ジョージ・フロイド氏の死をきっかけに世界的にBlack Lives Matterの抗議活動が広がった2020年の夏に持っていたエネルギーを持ち続けようと、力強い言葉を寄せた。(フロントロウ編集部)

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