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映画『君の名前で僕を呼んで』などの出演作で知られる俳優のアーミー・ハマーにレイプ疑惑が浮上している。被害者の女性が語った“恐怖の4時間”とは。(フロントロウ編集部)

元交際女性が性的暴行を告発

 “裏の顔”が明らかになったことによって、俳優として窮地に立たされている俳優のアーミー・ハマーから過去に性的暴行を受けたという女性が公の場で被害について語った。

 エフィと名乗る被害者の女性は、現地時間3月18日、彼女の代理人で弁護士のグロリア・オールレッドの付き添いのもとオンライン記者会見を実施。ちなみに、オールレッド氏は性差別及び性的暴行を伴う案件を得意とするフェミニスト弁護士として、Netflixのドキュメンタリー番組『グロリア・オールレッド: 女性の正義のために』にもフィーチャーされている敏腕弁護士として知られる。

 エフィとアーミーが関係を持っていたのは、アーミーとタレントのエリザベス・チェンバースがまだ婚姻関係(※2020年7月に離婚を発表)にあった2016年から2020年の約4年間。ずっと交際していたわけではなく、くっついたり離れたりを繰り返していたという。

画像: メディア向けに提供されたエフィとアーミー・ハマーのツーショット写真。

メディア向けに提供されたエフィとアーミー・ハマーのツーショット写真。

 エフィはアーミーに「殺されると思った」という約4年前の出来事についてこう振り返っている。

 「2017年4月24日、アーミー・ハマーはロサンゼルスで4時間以上にわたって私を暴力的にレイプし、その間、彼は私の頭を何度も壁に叩きつけ、顔にあざを作りました。彼は私が同意していないほかの暴力行為も行ないました」

 記者会見で泣きながら被害の詳細を語ったエフィは、続けて、アーミーからレイプされた際に歩くのが困難になるほど足を叩かれたことも告白。逃げようとしたがアーミーがそれを許さず、彼女のことを見捨てるようにしてその場から去っていったことに、「非常にショックを受けました」と話した。

画像: 元交際女性が性的暴行を告発

 20歳の時にFacebookを通じてアーミーと知り合ったというエフィによると、交際期間中、アーミーから「献身性」を試されることが多々あったが、当時は彼を愛するあまり盲目的になっていたこともあって受け入れてしまったという。しかし、今になって自分が“巧みに操られていた”ことに気づいたエフィは、「彼は私を精神的、感情的、性的に虐待しました」と声を震わせた。

アーミーの代理人が声明を発表

 エフィの告発を受けて、アーミーの代理人で弁護士のアンドリュー・ブレットラー氏は、レイプ疑惑を強く否定する声明を発表すると同時に、アーミーとエフィの間で交わされたとされるメールのやりとりを記録した画像を公開。そこには、「私は今、そのような方法で君と関わることはできない。決して良い結果にならない。話をしたり友達になったりすることはできても、それはできない」と書かれていた。

 ブレットラー氏によると、これは2020年7月にエフィがアーミーに送った性的な内容のメールに対する返信だそうで、同氏は彼女が“自分にしてほしいこと”を生々しく綴ったメールがこのほかに何百通もあると主張。

 ブレットラー氏は声明を通じて、「エフィのフェチや変態的な性欲を貶めたり、暴露したりすることはハマー氏が望んだことではありません。しかし、彼女は民事弁護士を雇って公の場で記者会見を開くことで、この問題を別のレベルにまでエスカレートさせています。ハマー氏は、真実を明らかにする機会を歓迎しています。(エフィを含む)すべての性的パートナーとのやりとりは完全に合意の上で行われたもので、(行為に関しては)事前に話し合って、お互いに同意のもと参加したものです。エフィの注目を集めるための無謀な訴訟は、本当の性暴力被害者が相応の正義を得ることを難しくするだけです」と、断固として戦う姿勢を見せている。

画像: アーミーの代理人が声明を発表

 一方、エフィの代理人であるオールレッド弁護士は、アーミー側の「完全に合意の上」という主張に、「仮に最初に同意をしたとしても途中で放棄することは可能であり、その権利があります。(気が変わった相手に対し、)男性が行為をやめなかった場合、法的に罪に問われるリスクを負うということです」と記者会見で反論。

 さらに、「有名な男性が、弱い立場の女性、とくにファンを選んで利用したり虐待したりすることがよくあります。有名人がそのような選択をするのは、自分を慕うファンを誘惑したり操ったりするために、有名人としての力をより簡単に利用できると感じているからでしょう」と、アーミーが“憧れの俳優とファン”という関係性を悪用した可能性を指摘している。

ロサンゼルス市警が捜査に乗り出す

 ちなみに、米Varietyによると、エフィが記者会見を開く前からロサンゼルス市警は性的暴行事件の捜査に乗り出していたそうで、ロサンゼルス市警の広報もメディアの問い合わせに対して、「今年の2月3日に開始された性的暴行容疑の捜査において、アーミー・ハマーが主犯格であることが確認できました」と、アーミーが捜査対象となっていることを認めている。

画像: ロサンゼルス市警が捜査に乗り出す

アーミー・ハマーをめぐる“疑惑”の数々とは?

 事の発端となったのは、アーミーと複数の女性とのやりとりが記されたダイレクトメッセージ(DM)の流出騒動。アーミーは「デタラメだ」と主張しているが、流出したメールには、SM願望に加え、食人願望やレイプ願望といった性的願望を持っていることを感じさせる内容のものも含まれていたことから、その“ヤバさ”にファンが騒然とする事態に。そしてこのDM流出騒動の発端となったSNSのアカウントを運営しているのが、今回、レイプ被害を告発したエフィだと言われている。

 さらに、その後、アーミーがごく親しい友人や知人にだけ共有しているインスタグラムの裏アカから、不適切な内容を含む動画や写真が次々と流出。そのなかのひとつである“匂わせ動画”に映っていた、ベッドの上で四つんばいになる下着姿の女性のことを、アーミーが「ミス・ケイマン」と称したため、ケイマン諸島で毎年開催されているミスコンの優勝者と勘違いする人が相次ぎ、アーミーと面識すらない現役のミス・ケイマンが情事の相手としてネット上で拡散され、とんだ風評被害を受けることになってしまった。事態を重く見たアーミーは地元紙に謝罪文を掲載。また、調査に乗り出した現地警察から厳重注意を受けた。

画像: アーミー・ハマーをめぐる“疑惑”の数々とは?

 この騒動が原因で、アーミーはジェニファー・ロペスと共演予定だった映画『Shotgun Wedding(原題)』に加え、映画『ゴッドファーザー』制作の舞台裏を描く新作ドラマ『The Offer(原題)』の出演も辞退。米Deadlineによると、『Shotgun Wedding』を降板したのと同日に、UCP制作の新作ドラマ『Gaslit(原題)』への出演も見送ったという。

 さらに、一連の騒動をうけて、所属する大手タレントエージェンシーのWMEがアーミーとの契約を解除。長年、パブリシスト(広報担当のエージェント)を務めてきた人物からも見限られたと米Hollywood Reporterは伝えている。相次ぐ告発によって、すでにキャリアに多大な影響が出ているアーミー。警察の捜査結果によっては、順調だった俳優業の勢いが一気に失速するどころか、俳優生命を絶たれる可能性すらある。(フロントロウ編集部)

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