バラク・オバマ元大統領が、「有害な男らしさ」について娘2人と話をした時のことを振り返ると同時に自身の考えを語った。(フロントロウ編集部)

オバマ元大統領が「有害な男らしさ」について語る

 近年、「男はこう振る舞うべき」、「男は強くタフでなくてはいけない」というステレオタイプ的な行動規範を男性たちに押し付けるトキシック・マスキュリニティ(Toxic Masculinity)が問題視されている。日本でも「有害な男らしさ」という言葉で浸透しつつあるこの問題について、バラク・オバマ米元大統領も娘のマリアやサーシャと話をしたことがあるという。では、具体的にどんな話をしたのか?

 先日、シンガーのブルース・スプリングスティーンがホストを務めるポッドキャスト番組『Renegades: Born in the USA(原題)』で、 “男らしさ”について意見を交換したオバマ元大統領は、「(有害な男らしさについて)娘や、娘の友達とも話をします。ポピュラーカルチャー(大衆文化)では男性であること、または男性的であることの唯一の明確な定義は、スポーツや性的に優れていることだと言われています。そして激しさ。激しさは、少なくとも健全なものであれば、スポーツに包含されます。後に、その定義に加えてお金を稼ぐということが追加されます。どれだけお金を稼げるかということです」と言うと、続けてこう語った。

 「『伝統的なアメリカ人男性』には称賛とそれに値する資質があります。責任感を持ち、家族や将来の世代のために犠牲を払うことをいとわないというものです。けれど、そこには私たちが考えもしなかったようなことがたくさん含まれています。MeToo運動でも見られるように、女性がいまだに同一賃金を求めていることや、家庭内での虐待や暴力に対処していることもその一部です。私たちの父親がどんな人で、どんな能力を持っていて、それをどのように理解し、話し合うべきか、そこからどんな教訓を得るべきかといったことが完全に清算されることはありませんでした。そのようなことは、すべて埋もれてしまったのです」

画像: オバマ元大統領が「有害な男らしさ」について語る

 世の中の大半の人たちが持つ狭い男性観は、憧れの有名人に影響を与えるだけでなく、支持する政策や目にする政治的表現にも浸透している。アメリカの文化に根付く男らしさについて明確な考えを持つオバマ元大統領は、とくに自分やブルースの世代は父親から受けた影響も大きいとして、それを見直すことなく間に受けてしまったことが、現在の有害な男らしさにつながっていると述べた。(フロントロウ編集部)

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