ケイト・ウィンスレットは、『アンモナイトの目覚め』の撮影現場で安全を感じたことで、逆に、過去に自分は苦しかったのだと自覚したことを語った。(フロントロウ編集部)

『アンモナイトの目覚め』撮影環境への配慮

 4月9日に公開される映画『アンモナイトの目覚め』では、ケイト・ウィンスレットが、イギリスに実在した有名な古生物学者メアリー・アニングを、シアーシャ・ローナンが、メアリーの親友シャーロット・マーチンソンを演じ、恋に落ちる2人の姿を描いた。

 本作では、ケイトとシアーシャのベッドシーンもあり、2人の愛と結びつきを丁寧に描いている。そのことについてケイトは、英Radio Timesのインタビューで、「会話を取り除くことで、この2人の女性たちの間にある深い繋がりや欲望を探求できると気がついた」と振り返り、学びの多い現場だったと語る。

 さらにケイトが、「そして、すごく平等で、すごく安全だと感じた」と話すように、本作の撮影現場の環境づくりは素晴らしいものだった。監督であるフランシス・リーは、自分が男性であることで「適切な行動」が取れるか分からないと感じ、ベッドシーンの撮影は女性スタッフだけに任せたという。

 分からないのであれば、分かる人に主導権を委ねる。そんな姿勢と決断を監督が見せたことは大きい。そしてケイトは、本作の撮影から、あることに気がついたという。

 「私たちはどのような方向からも、性的モノ化されることはなかった。しかしそのことで、過去に自分が性的モノ化されていると少し感じていたことにも気がついた」

画像: 『タイタニック』、『愛を読むひと』などの代表作を持つケイト・ウィンスレット。

『タイタニック』、『愛を読むひと』などの代表作を持つケイト・ウィンスレット。

 不適切な視線を送られている当事者であっても、それが普通とされていれば、違和感を覚えても自分の感情を明確にすることは難しい。しかし時代が変わってきているなかで、大切にされた経験をしたケイトは、これまでに自分が感じていた違和感に改めて気がついたという。

ケイト・ウィンスレット、次世代ために決意

 そんなケイトは、未成年に性的暴行を加え、アメリカでは禁固刑になったにもかかわらず、ヨーロッパへ逃亡して、いまだに世界の映画界で巨匠と称えられているロマン・ポランスキーと、元パートナーである俳優ミア・ファローの養女ディラン・ファローに性的虐待を受けたと告発されているウディ・アレンという、2人の監督の作品に出演した経験を持つ。

 彼らと一緒に仕事をしたことについて後悔しているというケイトは、「彼らがあんなにも高く評価されていることが信じられない。彼らの過去にもかかわらず、映画業界において広く評価されていることがね。本当に恥ずべきことだと思う」と、米Vanity Fairのインタビューで厳しく叱責。

 そして、この社会を生きる若い女性たちのために行動したいとして、「人生はすごく短いものだから、私は若い女性たちにふさわしいお手本になれるようにベストを尽くしたい。今はメチャクチャな世の中を提供してしまっているから、そこに少しでも誠実なものを提供できたらと思う」と、強い意志を語っていた。(フロントロウ編集部)

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