モデルが着物の帯の上を歩くヴァレンティノ(Valentino)の広告が、日本の文化を冒涜していると批判を集め、取り下げられる事態が発生。じつは他のブランドでも、広告を公開後、取り下げられることは度々起きている。(フロントロウ編集部)

追記

 批判を受けて、ヴァレンティノは「日本の文化に敬意を込めて作成されたもので、日本の文化を冒涜するような意図は全くなく、このシーンで使われた布も、着物の帯ではありませんが、多くの方に不快な思いをさせてしまったこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪コメントを発表した。

ヴァレンティノの広告が炎上

 つい先日、ヴァレンティノ(Valentino)の広告で、元SMAPのメンバーである木村拓哉の次女Kokiが日本の伝統着である着物の帯の上に座ったり、帯の上を歩いたりしていたことから、日本の文化を冒涜していると批判を受け、ブランド側は広告を取り下げ。

 しかしファッション業界では、文化の盗用や性差別的な表現などが問題になり、大金を使って撮影された広告が批判され取り下げになるという事例が近年多く出ている。

炎上で広告を取り下げられたブランドの広告

ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)

 上海でコレクションを行なう前に、アジア人モデルがピザやパスタ、カンノーロを箸で食べる姿が映し出されたキャンペーン動画を公開したドルチェ&ガッバーナ。この動画は中国を侮辱しているや差別しているなどの声が上がり、取り下げられるも、この動画についてDMを送った人にデザイナーであるステファノ・ガッバーナが「これからは世界的なインタビューを受けるときには、中国はクソだと言うよ」や「無知で汚くて臭う中国マフィア」など中国を侮辱する発言をしたことが大きな炎上を招いた。そしてそのDMは拡散され、ショーはもちろん中止になり、中国ではドルチェ&ガッバーナへのボイコットが起きた。

画像1: 炎上で広告を取り下げられたブランドの広告

マルニ(Marni)

 2020年にビーチサンダルのキャンペーンを打ち出したマルニ。黒人の写真家が撮影した広告には、部族の象徴を模したものを身につけているモデルが登場。そしてブランド側がその写真にジャングル・ムードや、ジャングルで裸足、部族のお守りといったフレーズをつけたことが、黒人は原始的で近代的ではないという人種差別的でステレオタイプを暗示していると批判され炎上。その後ブランドは広告を取り下げた。

画像2: 炎上で広告を取り下げられたブランドの広告

アメリカン・アパレル(American Apparel)

 カジュアルブランドのアメリカン・アパレルは、制服のようなミニスカートを履いている女性が前屈みになり、下着が丸見えという広告を掲載。まるでアダルトサイトを彷彿とさせるようなキャンペーン写真は、性差別であり略奪的な性行動をノーマライズ(標準化)する可能性があるということから、イギリスの広告監視委員会に広告の掲載を禁止された。

画像3: 炎上で広告を取り下げられたブランドの広告

(フロントロウ編集部)

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