『スター・ウォーズ』シリーズの公式SNSが、国際トランスジェンダー認知の日を記念して、「トランス・ノンバイナリー」のジェダイのキャラクターを称える投稿を行なった。(フロントロウ編集部)

『スター・ウォーズ』、トランス・ノンバイナリーのジェダイを紹介

 毎年3月31日は国際トランスジェンダー認知の日(International Transgender Day of Visibility)。LGBTQ+の祝日が1つも存在しなかったことから、米トランスジェンダー活動家のレイチェル・クランダールが2009年に創設したこの祝日は、トランスジェンダーを祝福し、世界中のトランスジェンダーたちが日々直面している差別の現状について深く知るための日。

画像: 『スター・ウォーズ』、トランス・ノンバイナリーのジェダイを紹介

 創設から10年以上が経った現在は、インターネットやSNSを通じて啓発キャンペーンが行なわれ、当事者はもちろん、LGBTQ+のアライ(味方・仲間・支援者)もトランスジェンダーの人々が生きやすい社会を目指そうと呼びかけている。

 2021年の国際トランスジェンダー認知の日には、世界で最も人気があるSF作品のフランチャイズといっても過言ではない『スター・ウォーズ』もトランスジェンダー・コミュニティを称えるアクションを起こした。

 『スター・ウォーズ』の公式SNSでは、シリーズ初のトランス・ノンバイナリー・キャラクターである双子のジェダイ、テレックとセレットをフィーチャーした、コミックス『Star Wars: The High Republic(スター・ウォーズ ザ・ハイ・リパブリック)』の表紙がお披露目。

 「国際トランスジェンダー認知の日を称えて、マーベルの『The High Republic』に登場する、トランス・ノンバイナリーのジェダイであるテレックとセレットに焦点を当てた特別な表紙をお披露目できることを誇りに思います。私たちは、トランスジェンダーの命をサポートし、はるかかなたの銀河系においてレプリゼンテーションをさらに広げていくことを約束します」というメッセージが添えられた。

 キャヴァン・スコットが手がける『Star Wars: The HighRepublic』は、スカイウォーカー・サーガの200年前の時代を舞台にしたコミックで、マーベル・コミックスから発売されている作品。テレックとセレットは、コータビ(Kotabi)と呼ばれる人間の形をした種族で、双子ならではの絆をベースとしたフォースを使い、1つのマインドを共有して戦うジェダイとして描かれる。

 テレックとセレットがLGBTQ+、もしくはトランス・ノンバイナリーだという事実は、これまで作中では明言されていなかったが、国際トランスジェンダー認知の日を記念して、2人がコミュニティの一員だということが明かされた。


「トランス・ノンバイナリー」とは?

 「トランス・ノンバイナリー」という言葉はまだ耳慣れないが、トランスジェンダーの傘下に含まれるノンバイナリーのこと。

 トランスジェンダーは、生まれた時に割り当てられた性別が自身の性自認とは一致しない人、つまりシスジェンダー以外を言うが、そのなかにも、さまざまな種類の性自認があり、英LGBT Foundationの解説によると、性自認が男性である「トランス男性」、性自認が女性である「トランス女性」のほかに、「異性装をする人々(女装家・男装家)」、「ノンバイナリー」の人々もトランスの傘下に含まれる。

画像: ©LGBT Foundation

©LGBT Foundation

 ノンバイナリーとは、男性や女性どちらにも分類・限定されないジェンダー・アイデンティティのこと。男性と女性の両方を感じる、そのどちらでもない、トランスジェンダーの中間など、その表現はさまざまで、“第3のジェンダー”と呼ばれることもある。

 『スター・ウォーズ』の公式が、ジェダイであるテレックとセレットがトランス・ノンバイナリーであると大々的に発表し、トランスジェンダー・コミュニティへの理解と支持を示したことには、冷ややかな意見もあるものの、「レインボーカラーのライトセーバーを持ったらいいんじゃない?」、「トランスの若者の1人としては、こういうのすごく嬉しいよ」、「ついに銀河系にレプリゼンテーションが! 」といったポジティブな反応も寄せられている。(フロントロウ編集部)

※こちらの記事は一部表現を修正しました。

This article is a sponsored article by
''.