日本でもフィットネスをライフスタイルに
スポーツブランドのPUMAがグローバルで展開しているキャンペーン“SHE MOVES US”は、「世界をより良い場所にするために変革しよう」という信念のもと、社会で活躍する女性たちを称賛し、力づけ、その活動をサポートするためのキャンペーン。
今回このブランドキャンペーンと連動してPUMA WOMENのプロジェクトディレクターに就任したAYAは「日本総フィットネス化」という目標を掲げている。
海外に比べると、日本のフィットネスへの意識はまだまだ低く、今後の成長分野として期待されているジャンル。そんななか女性のためのフィットネスを、日本に提案した第一人者としても知られるAYAに話を聞いた。
AYAさんが提案する「日本総フィットネス化」とはどういったことでしょうか?
AYA:私は何年も前から「日本総フィットネス化」にしたいという自分のスローガンがあります。日本はまだ海外に比べるとフィットネス人口が少なく、体を鍛えることに対して違和感を持っている人が多いと思います。例えば海外では、朝起きて運動をしてから会社に行くという流れがあります。ヨーロッパよりもアメリカの方が浸透しているように感じていて、ロサンゼルスを中心にアメリカでは、フィットネスがライフスタイルに定着しています。
私はコロナウイルス感染拡大が起こる前には、年に2回ほどアメリカに行ってフィットネスの勉強をしていたのですが、初めてロサンゼルスに行ったときに感じたことは、フィットネスウエアを取り入れたファッションが当たり前になっているということ。レギンスをズボンにして、フィットネスブラにジャケットをサクッと羽織ったような、フィットネスアイテムとファッションアイテムをミックスした「アスレジャーファッション」が主流になっていることです。
これは、アメリカではフィットネスが当たり前の文化になっているので、こういったスタイルが普通になっているということです。日本はまだまだ運動の文化がないので、フィットネスウェアを着ることに抵抗がある人が多いと思います。
例えば、日本ではレギンスを履いてお尻のラインが見えるのを気にしたり、長めのトップスを着てお尻のラインを隠すなどと、「見せる事」よりも「隠す方」になってしまうことがありますが、これは日本には運動の文化が定着していないがゆえの悪いところだと感じています。
スタイルがいいから見せる格好をしているのではなく、運動をしている自信からそういったファッションをしているということを、ロサンゼルスの子たちを見て思いました。
フィットネスがライフスタイルに浸透するということは、「歯磨きしないと気持ち悪くて眠れない」と思うように、「運動をしないと気持ち悪くて1日が始まらない」というような文化になればいいと思っていて、それが「日本総フィットネス化」の最後のゴールだと思っています。
これまで運動をしてこなかった人にとっては、運動をライフスタイルにするのは、少々ハードルが高く感じることもあると思います。そういった人に最初のステップとして、何かアドバイスはありますか?
AYA:実は取り入れる運動はどんなことでも良くて、自分が好きだなと思う運動でいいんです。運動を始められない人の多くは、「運動=ジムに入会すること」と考えている人が多く、後にジムに入会したことを重荷に感じる人が多いと思います。まず自分に「運動」というキーワードを与えて、成功体験を作ることが大切です。
体を動かして汗をかくということを、何でもいいので自分でできる1発目の目標にして欲しいです。時間はみんな平等だから、誰でもできると思います。例えば、汗をかくまでウォーキングを週1から始めることでもいいんです。
そして、「ウォーキングができました」、これが自分の成功体験になります。次の目標に行ってみよう、じゃあ次はジョギングにしてみよう。できた、チェック。次はヨガのクラスに友達と行ってみよう、そしてまたチェック。こうやって、どんどん自分のマインドが変わっていくんです!
どんなことでもいいから、とにかく体を動かして汗をかくということが大事。成功体験を自分に与えると、自信に変わっていくので、その自信をうまく活用してほしい。そして最終的に、ライフスタイルに運動が組み込まれていくんです。
運動を行なう時間は、どのくらいを推奨しますか?
AYA:長ければ長いほどいいという訳ではなく、量より質です。時間がないと運動できないっていう考えになってしまうのは良くない。例えば20分間、スクワット、腹筋、動き続けるメニューをするとしたら、ジムでトレーニングするよりも運動量は稼げます。ダラダラと行なうよりも、集中して質の良いトレーニングをすることが大事なので、腕立て伏せを5分間行なって汗をかければいいんです。自分で決めた時間内で、どれだけ自分を追い込むかが大事。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、運動に変化はありましたか?
AYA:コロナの影響でステイホームになり、家の中でどんなトレーニングができるんだろうと考えました。「家と自分しかない」と思った時に、私自身もトレーニングの原点に返って、自分に何ができるか考えさせられた期間の中、自分が持っているものは自分の体ということに気がつきました。
自分の体というのはみんなそれぞれ違いますが、自分の体重を利用してどんなことができるかと思ったときに、「道具がないと運動が成立しない」ということではなく、自分の体重を負荷としてトレーニングすることが重要なんだと。自分で体重をコントロールできないのにウエイトを持つ資格はないと思い、自分自身がトレーニングの道具だということに気づいたんです。
最後にPUMA WOMENのプロジェクトディレクターに就任して伝えたいメッセージはありますか?
AYA:衣食住と同じように、フィットネスがライフスタイルになくてはならない存在になり、「史上最高の自分」でいるということを、PUMAさんと一緒に発信していきたいと思っています。
(フロントロウ編集部)