新型コロナウイルスによる外出制限のなかで初めて撮影された映画となった、ソフィア・カーソン&KJ・アパ主演の映画『Songbird(ソングバード)』。新型コロナウイルス(COVID-19)がさらに強力で致死率の高い「COVID-23」へと変異してしまった未来を描いた内容も注目を集めた本作が、今月より米Huluで配信されることが決定。改めて話題になりそうな本作の撮影を振り返った、ソフィアインタビューを紹介。(フロントロウ編集部)

外出制限のなかで初めて撮影された映画『ソングバード』

 2020年に入ってから世界各地で発生が確認され、瞬く間に世界的なパンデミックをもたらした新型コロナウイルス。ソーシャルディスタンス(社会的距離)という言葉が、今や誰もが知る言葉となったように、その感染力の高さは、人々に以前のように近い距離で接することを制限し、日常生活はもちろんのこと、様々な産業に大きな影響をもたらした。

 新型コロナウイルスによって大きなダメージを受けた産業の1つが、映画やドラマなどの映像産業で、必然的に密になる機会が多くなるため、撮影の中断を余儀なくされた作品も多い。そうしたなかで、ハリウッドのあるロサンゼルスに外出制限が出されて以来、初めて撮影を行なった作品が、映画『アルマゲドン』や『トランスフォーマー』シリーズで知られるマイケル・ベイが監督を務めた映画『Songbird(ソングバード)』。

画像: 外出制限のなかで初めて撮影された映画『ソングバード』

 日本時間5月20日に、向こう約1ヶ月以内にロサンゼルスでの撮影をスタートすることを米Deadlineによって報じられた本作だけれど、米現地時間7月2日には、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)から、同作が組合との正式な調印手続きを経ていないとして、同組合に所属する俳優たちに充てて“出演禁止通達”が出る事態にもなった。その後、この通達が取り下げられることが公表された後で、ディズニー・チャンネルの『ディセンダント』シリーズで知られるソフィア・カーソンや、ドラマ『リバーデイル』のKJ・アパ、映画『ゴースト/ニューヨークの幻』のデミ・ムーア、映画『ゲット・アウト』のブラッドリー・ウィットフォードらの出演が発表された。

今月より米Huluでの配信が決定

 新型コロナウイルスによる外出制限の真っ只中に撮影された本作は、パンデミックの状況そのままに、新型コロナウイルス(COVID-19)が、さらに強力で致死率の高い「COVID-23」へと変異し、人々がより強化されたソーシャル・ディスタンスのルールの厳守を余儀なくされ、ゴーストタウンと化してしまった2024年のロサンゼルスを舞台にした作品。

 主人公は、ロックダウン4年目に突入するなか、バーチャルで恋に落ち、いつか顔を合わせて触れ合うことを夢見る、ソフィアとKJが演じる若いカップル。愛し合う2人が、ウイルスの脅威にくわえて、感染の疑いがある人々を、一度入ったら二度と出ては来られない「Qゾーン」と呼ばれる施設に徹底的に隔離しようとする組織の陰謀に巻き込まれていくという、シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』を彷彿とさせるせつないラブストーリーも描かれる。

画像: 今月より米Huluでの配信が決定

 未曾有のパンデミックの真っ最中に、現在の状況がさらに悪化した未来を描いたスリラー作品となった本作。予告編が初めて解禁された時には、“不安な気持ちが煽られる”という意見も寄せられるなど、賛否両論が巻き起こった。

 そうしたなかで、2020年にオンデマンドで公開された本作。さらに、米現地時間2021年4月16日からは、米Huluでの配信がスタートすると発表。まだパンデミックが収束していないなかで、ストリーミングサービスで解禁されるということで、改めて注目を集めることになりそう。

ソフィア・カーソンが撮影を振り返る

 「世界的なパンデミックが起きてから初めて撮影される映画になったから、このニューノーマルのなかで、映画やテレビ番組を同撮影するかについての新しい基準を作ったの」と、ソフィアは昨年、出演したラジオ番組『Zach Sang Show(原題)』で語り、一度にセットに入れるスタッフの人数は40名までという制限のもと、17日間で撮了したという本作の撮影を振り返った。

 「マイケル・ベイ監督と私、それから、デミ・ムーアやブラッドリー・ウィットフォード、KJ・アパといった素晴らしいキャストたちが集まった。1ヶ月半で撮影したんだけど、こうやって指をパチンって鳴らすみたいに、あっという間に終わったの。現実とは思えなかった」。

画像: ソフィア・カーソンが撮影を振り返る

 「外出制限や、 全米映画俳優組合の新たなルールによって、時間にものすごく追われることになった。急いで撮影をこなさなければいけなかったの。日中の撮影は、ものすごく大変なものになった」とした上で、「照明の設備はなかったし、カメラだっていくつもなかった。ジャックという最高の撮影監督がカメラを持っていて、1台の手持ちカメラと、監督と、私と、KJ。ほとんどのシーンはそういうメンバーで撮影したから、ほとんど舞台劇のように感じていた」とソフィア。

 「この映画の撮影は、まるで生でやっているかのようにシーンを連続して撮っていた。何テイクも撮ることはなくて、ライブを連続して撮るようなシーンがほとんどだった。そのことがさらなる緊張感をもたらして、最終的な作品が、生々しくてリアルなものに仕上がった」と、急ピッチでの撮影を余儀なくされたことで、まるで舞台劇を収録したような臨場感のある作品に仕上がったと振り返った。

 『ソングバード』が日本でも観られるかについては現時点で明らかになっていないものの、米Varietyは昨年、日本のWOWOWが本作の配給権を獲得し、2021年内の劇場公開を目指していると報じている。(フロントロウ編集部)

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