スウェーデン発祥の「プロギング」
深刻化する地球環境の悪化を食い止めるため、さまざまなムーブメントが生まれるなか、世界各地で人気を集めているのが、ジョギングを楽しみながらゴミ拾いをするSDGsなエクササイズ「プロギング(plogging)」。
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2016年にスウェーデンで誕生したプロギングは、スウェーデン語で「拾う」を意味する「プロッカ(plocka)」と「ジョギング」を組み合わせた造語。自分で決めたルートを走るという定番の有酸素運動と、ゴミを見つけたら拾って集めるというエコな活動をミックスさせたもの。ゴミ袋や手袋など最低限のアイテムさえあれば、いつでも誰でも始められるのが魅力。
新鮮な空気を吸ってジョギングをしながら街をキレイにできるという楽しさから徐々に世界中に広まり、日本での人気も上昇。地球環境を考える日と定められている4月22日のアースデイには、日本国内でもプロギングのイベントが開催される。
海洋プラスチックごみ削減につながる
プロギングは、スウェーデンに住むアスリートのエリック・アールストローム氏が、サイクリングをしている際に街中にたくさんのゴミが捨てられている現実に驚いたのをきっかけに考案。なかでもアールストローム氏が問題視したのが、ポイ捨てされたプラスチックゴミ。
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プラスチックゴミは、世界中でなんと毎年約800万トンもの量が海に流されていて、すでに海洋汚染やそこに住む生態系へ大きな影響を与えている。その一因とされているのが、ゴミのポイ捨て。そのためプロギングでゴミ拾いをすることで、海に排出されるゴミの量の削減につながるのだという。
より多くのカロリーを消費できる
SDGsの課題にひと役買いながらエクササイズができるプロギングには、ただジョギングするだけよりも運動効果が上がるというメリットも。
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アールストローム氏は、「ごみを拾うとき、腰を下ろしてスクワットのような姿勢になるなど筋トレの要素がプラスされるから、ノーマルなジョギングよりもより多くのカロリーを消費できるんだ」と豪The plastic runnerで説明。通常のジョギングなら30分で平均235カロリーのところを、プロギングだと平均288カロリーも消費できるという。
成果はSNSにアップして発信
プロギングをするときにオススメなのが、拾ったゴミを写真に撮ってSNSに投稿すること。実際にプロギングを実践している世界中のSNSユーザーが、ハッシュタグをつけて拾ったゴミの量や、ジョギングしたルートの記録などをインスタグラムにアップ。
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アールストローム氏もこのSNSでの発信を願っていて、「#ploggaや#ploggingなどのハッシュタグをつけてインスタグラムに写真を投稿すると、それを見た人にもこのムーブメントが広まるから、ぜひ多くの人にやってほしい」と話している。
誰でも簡単に始められるSDGsなエクササイズ「プロギング」。拾ったゴミを、街のリサイクルステーションなどに持っていくのもオススメ。(フロントロウ編集部)