そのビジュアルもさることながら、長きにわたって高い演技力を発揮し続けている俳優ブラッド・ピットだけれど、キャリアの初期には、自分に“美少年”というイメージがついてしまうのではと葛藤を抱えていた時期もあったという。(フロントロウ編集部)

キャリアの初期に自身のイメージに葛藤を抱えていたブラッド・ピット

 2008年に公開された映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』や、2011年公開の映画『マネーボール』でアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされるなど、ハリウッドを代表する演技力を持つ俳優として知られるブラッド・ピット

画像: キャリアの初期に自身のイメージに葛藤を抱えていたブラッド・ピット

 2019年公開の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』では、アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされるなど、長きにわたってその高い演技力が評価され続けているブラッドだけれど、キャリアの初期には、そのビジュアルが故の「美少年」としてのイメージに悩まされていた時期があったよう。

 このエピソードは現地時間4月18日に米E!で放送された番組『E! True Hollywood Story(原題)』で明らかになったもので、2009年に刊行されたセレブリティ文化についての書籍『Cult of Celebrity: What Our Fascination With The Stars Reveals About Us(原題)』の著者であるクーパー・ローレンス氏は番組のなかで、ブラッドについて、1991年に公開された映画『テルマ&ルイーズ』のヒットを機に、本格的な大ブレイクをしたと振り返っている。

 ブラッドは当時、同じく注目を集めていた俳優のジュリエット・ルイスと交際していたこともあり、その甘いビジュアルも相まって、タブロイド紙やファンの注目の的となったのだけれど、ブラッドは自身のそうした側面が注目を集めるようになったことで、自身の俳優としての幅が狭まってしまうのではと懸念を抱いていたという。

映画『カリフォルニア』の監督が当時のブラッドを振り返る

 そんなブラッドにとって転機になったのが、サイコパスを演じた1993年公開の映画『カリフォルニア』だった。同作を監督したドミニク・セナは『E! True Hollywood Story』のなかで、当時、ブラッドが“美少年”というイメージがついてしまうのではと懸念していたことを明かした上で、彼の起用を決めた理由について次のように振り返った。

 「(1992年公開の)『リバー・ランズ・スルー・イット』の撮影を終えた後で、ブラッドは同作と『テルマ&ルイーズ』の期間で、自分に美少年というイメージがつくことを懸念していました。彼はそうしたイメージからかけ離れた役を探していたので、『それならピッタリの役があるぞ』と私は思ったのです」。

画像: 映画『カリフォルニア』で殺人鬼を演じたブラッド・ピット。

映画『カリフォルニア』で殺人鬼を演じたブラッド・ピット。

 「私はブラッドと会ったのですが、彼のキャラクターの解釈は素晴らしいと思いました。彼こそがふさわしいと私は確信したのです」とドミニクは続けて語り、ブラッドの演技力に魅了され、彼を起用することを確信したと振り返った。

 映画『カリフォルニア』では、ブラッドが、当時交際していたジュリエット・ルイスと共演したことも話題に。ドミニクは、「2人が交際していたということを考えれば、見事なものになるか、それとも酷いものになるかのどちらかだろうと私は考えていました」と、実生活で交際している2人を起用することが、裏目に出てしまう可能性も懸念していたと明かしつつ、「率直に申し上げますと、あれは恵みのようでした」と、結果としては2人が素晴らしい演技を見せてくれたと回想。

 「彼らの間で相互作用的にもたらされた何もかもが、リアルなものだったのです。2人はお互いにのめり込み、それがすべてに波及していくようでした」と振り返り、2人が見せた演技力に賛辞を寄せた。

 一時は“美少年”のイメージによって演技の幅が狭まってしまうのではないかと懸念していたというブラッドだけれど、その後の幅広い作品での活躍はご存知の通り。見事、その演技力をもって自身の実力を証明し続けている。(フロントロウ編集部)

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