新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されていた第93回アカデミー賞授賞式が、ついに開幕。フロントロウ編集部では今年のアカデミー賞で話題のファッションを最速でお届け。(フロントロウ編集部)

ドルチェ&ガッバーナがカスタムメイドしたタキシード

 Netflixオリジナル作品で、短編実写映画賞を受賞した『隔たる世界の2人』の監督であるトラヴォン・フリーとマーティン・デズモンド・ローは、授賞式のレッドカーペットに、ブラックとゴールドのコントラストが目立つタキシードを着用して登場。

画像1: ドルチェ&ガッバーナがカスタムメイドしたタキシード

 ドルチェ&ガッバーナがこの日のためにカスタムメイドしたタキシードは、ジャケットの黒の裏地に、ゴールドの文字で様々な名前がプリントされている。これらの名前は、警察官に殺された人々の名前。監督であるトラヴォン・フリーとマーティン・デズモンド・ローは、考えられる名前があまりにも多かったため、自分にとって最も意味のある名前を選択する必要があったという。

画像2: ドルチェ&ガッバーナがカスタムメイドしたタキシード

 アメリカでは、白人の警察官が黒人の市民を射殺する事件が多発して社会問題になっており、2021年4月11日にも、米ミネソタ州ブルックリンセンターで、警察が職務質問後に逮捕しようとした黒人男性のダンテ・ライトを射殺する事件が起こったばかり。トラヴォン・フリー監督のジャケットには、わずか2週間前に射殺されたダンテ・ライトの名前も含まれている。

 裏地には美しいプリントが施されることで知られるドルチェ&ガッバーナらしいデザインと、社会問題をシックに提示した彼らの衣装は、本年度のアカデミー賞のレッドカーペットファッションではとくに話題になっている。

 また、名前が添えられたのはタキシードだけでなく、2020年に白人の警察官によって首を膝で押しつられ殺害されたジョージ・フロイドらの名前がシューズにもプリントされており、未だに収束しない社会問題を全身ファッションでアピールした形となった。

 これまでも世界中で起こっている社会問題について、アカデミー賞のスピーチで問題提示をするセレブは多くいたが、ここ数年は、レッドカーペット上でファッションを通して、視覚的な分かりやすさと話題性をもって社会問題を訴えるセレブが増えている。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.