今年のアカデミー賞授賞式を見て、受賞者のスピーチがいつもより「長い」と感じた方もいると思うが、じつは事前にスピーチを途中で遮らないよう指示が出ていたことが明らかに。(フロントロウ編集部)

今年のアカデミー賞でスピーチに変化

 現地時間4月25日、アメリカのロサンゼルスで第93回アカデミー賞授賞式が開催され、作品賞を『ノマドランド』、監督賞を『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督、主演男優賞を『ファーザー』のアンソニー・ホプキンス、主演女優賞を『ノマドランド』のフランシス・マクドーマンド、助演男優賞を『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』のダニエル・カルーヤ、助演女優賞を『ミナリ』のユン・ヨジョンがそれぞれ受賞した。

 女性や有色人種の活躍が目立ったこと今年のアカデミー賞は、コロナ対策でメイン会場となったユニオン駅のほかにいくつかの中継地点を設けるなど、初となる試みがいくつかあったが、スピーチに関しても事前にあるお達しが出ていたことを、今回の授賞式の音楽監督を務めたザ・ルーツのクエストラヴが米Varietyのインタビューで明かした。

 「今年の授賞式でひとつ残念なのは、私のお気に入りでもある、スピーチの制限時間が迫っていることを知らせる音楽を演奏できないこと(笑)やっちゃダメなことになってる。『スピーチを中断しちゃいけない』って上から言われてるんだ。だから、もし『ミナリ』のアラン・キムがまた泣いてしまっても(※アカデミー賞の前哨戦である放送映画批評家協会賞を受賞して泣いてしまった)、スピーチを中断することはできない」

画像: 左上から時計回りにユン・ヨジョン、『プロミシング・ヤング・ウーマン』の監督として知られるエメラルド・フェネル、ダニエル・カルーヤ。

左上から時計回りにユン・ヨジョン、『プロミシング・ヤング・ウーマン』の監督として知られるエメラルド・フェネル、ダニエル・カルーヤ。

 放送枠の関係で、受賞スピーチが長すぎる場合は、制限時間が迫っていることを知らせる音楽を演奏するというのがお決まりだったが、今年のアカデミー賞は受賞スピーチを途中で遮ってはいけない=実質、時間が“無制限”だったことが判明。どおりでいつもよりみんなの話が長かったわけだ。

 毎年、スピーチを強制終了させられる受賞者が必ずひとりはおり、「受賞した人に対して失礼」という意見もあったので、配慮してのことだったのかもしれないが、逆に今年は「話が長すぎる」といった声が目立った。来年は果たして。(フロントロウ編集部)

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