H.E.R.オスカーの衣装は憧れのプリンスに影響されたものだった

H.E.R.がプリンスをオマージュ

　映画『あの夜、マイアミで』の「Speak Now」、『シカゴ7裁判』の「Hear My Voice」、『これからの人生』の「Io Si（Seen)」、『ユーロビジョン歌合戦〜ファイア・サーガ物語〜』の「Husavik」をしのいで2021年アカデミー賞の歌曲賞を受賞したのは、『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア（原題）』のサウンドトラックに収録されているH.E.R.の「Fight for You」。H.E.R.は「Fight for You」をアカデミー賞の事前番組でパフォーマンスしており、夜景をバックに歌いあげた。

　そんなH.E.R.は、スパンコールやビジューがふんだんに使われたブルーのジャンプスーツスタイルでレッドカーペットに登場。

　頭を覆い隠したルックで登場したH.E.R.。このジャンプスーツは、ダンダス（Dundas）のカスタムメイドで、一緒にショパール（Chopard）のジュエリーを身につけた。

　今回H.E.R.のジャンプスーツを作ったダンダスの広報は、「ジャンプスーツを鎧のような感じで着てもらいたかった。言葉には大きな力があり、この曲（『Fight for You』）に込められた強さと正義という重要でインパクトのあるメッセージに感動しないわけにはいきません。とくに今、世界で起こっていることを考えるとなおさらです」というデザイナーであるピーター・ダンダスの思いが込められていると米Peopleに明かした。

　さらにこのドレスは、H.E.R.が憧れているアーティストへのオマージュだそう。そのアーティストとは、2016年にこの世を去ったアーティストのプリンス。

　今回H.E.R.は、プリンスが1985年にアカデミー賞授賞式で、映画『プリンス／パープル・レイン』のサウンドトラック・アルバムに収録されていた「Purple Rain」がミュージカル映画音楽賞と編曲・歌曲賞を受賞した時の衣装をオマージュ。

　じつはH.E.R.は事前に行なわれた米Peopleのインタビューで衣装について「当日に見てもらいたい。でも、ある時代にインスパイアされたものであることは間違いないし、私の好きなアーティストにもインスパイアされている。だから、きっと象徴的なものになると思う」とほのめかしており、宣言通りアイコニックなものとなった。

　ちなみにH.E.R.はアカデミー賞の事前番組で「Fight for You」をパフォーマンスした時もダンダスのセットアップを着用しており、ダンダスは衣装のスケッチをインスタグラムにアップしている。（フロントロウ編集部）