映画『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』のジム・レブレヒト監督が、グッチのカスタムメイドのタキシードを着てアカデミー賞授賞式に出席。それが意味することとは。(フロントロウ編集部)

グッチを着てレカペを歩くことが障がい者コミュニティに与える影響

 現地時間4月25日、映画界で最も権威ある賞と言われるアカデミー賞の授賞式が開催され、長編ドキュメンタリー賞のノミネート作品『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』のジム・レブレヒト監督がグッチ(Gucci)のカスタムメイドのタキシードを着て出席した。

 障がいを持つティーンエイジャーのために開かれていたサマーキャンプ(夏合宿)を題材にした、Netflixのオリジナル映画『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』は、バラク・オバマ元大統領が製作総指揮を務めた作品で、自身も二分脊椎症で車イス生活を送るレブレヒト監督は同作品に出演者としても携わっている。

 セレブにとってブランドによる衣装提供は“当たり前”のことだが、レブレヒト監督のように障がいを持つ人たちにとっては非常にハードルが高い。アカデミー賞にノミネートされる前に、障がい者の支援活動を行なうシネイド・バークから「もしあなたに自分たちの服を着てほしいというファッションブランドがあったら、それはとても重要なメッセージになる」と言われたレブレヒト監督は、その後、シネイド経由でグッチの担当者を紹介してもらい、カスタムメイドのタキシードを提供してもらえることになった。

画像1: グッチを着てレカペを歩くことが障がい者コミュニティに与える影響

 米Varietyのインタビューで“重要なメッセージ”とは何かを問われたレブレヒト監督は、「私が思うに、それは事実を受け入れること、もしくはもっと大胆に言うとあなたの体形や外見ではなく、大事なのはあなた自身であるということだと思います」と言うと、「優美さというのは、様々な形やサイズ、色、体格にあります。私を着飾るためにはかなりの労力が必要でした。(グッチが)私をブランドを表現する代表者のひとりに選んでくれたことを考えると、涙が出そうになります。これほど明瞭でポジティブなメッセージはありませんからね」と続けた。

画像2: グッチを着てレカペを歩くことが障がい者コミュニティに与える影響

 自分たちが着飾った姿で、車イスや介助犬を連れてアカデミー賞の授賞式に出席する姿を見た人たちが、少しでも勇気をもらってくれたら嬉しいと話すレブレヒト監督は、最後にこう語っている。

 「障がいのある人が車椅子や歩行器、盲導犬を連れてレッドカーペットに登場することも可能だということを伝えたいです。実際、今夜の私の連れには、(自分と同じように車イスに乗る)ジュディ・ヒューマンとアンドレア・ラバントがいます。アンドレアは介助犬を連れていて、(犬は)『私は介助犬です』と書かれたベストを着ていますが、そのベストには宝石がついています。障がいを持つ人たちがあの場にいるということは、とても大きなことだと思っています。私はとても興奮しています」

 残念ながら、レブレヒト監督がメガホンを取った『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』は受賞とはならなかったが、Netflixで今すぐ見ることができるので興味がある方はぜひ。(フロントロウ編集部)

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