SNSで4月24日はレイプデーだとするデマが拡散され、各地の学校も警戒。そんななか、ウェールズの男子大学生たちが取った行動に称賛が送られている。(フロントロウ編集部)

卑劣なデマが拡散、男子大学生たちが行動に出る

 イギリスやアメリカでSNSを通して、4月24日はレイプデーであるというデマが拡散され、各地の大学や学校では、不安に感じる生徒に向けてメッセージが出される事態に発展した。SNSでは、レイプデーには性暴力が合法になるという内容の嘘もあったという。

 投稿者は面白いジョークとでも思ったのだろうか。しかし、このデマがデマだと分かっていたとしても、実際に行動に移す人はいないと言い切れないうえ、これによって過去に性暴力被害を受けた人が、その経験を思い出してしまう可能性もある。

 このデマを聞いたウェールズのカーディフ大学で学ぶベンは、元恋人が24日の土曜日にパーティーへ出かけることを思い出し、行き帰りに付き添いが必要であれば、何時でも呼び出してほしいと連絡したそう。そしてベンは、そのほかにも自分たちができることはあるはずだと考えたという。

 そこで彼は、土曜日の夜から日曜日の朝にかけて、出先へ向かうことを不安に感じる女性たちに付き添うことを決断した。

画像: 卑劣なデマが拡散、男子大学生たちが行動に出る

 まず彼は、自分が所属する大学のサッカーチームのグループチャットで、手助けしてくれるチームメイトはいないかと連絡。その結果、現在テスト期間を目の前に控えているにもかかわらず、20人の仲間が集まったそう。

 また、ベンが英Ladbibleに話したところによると、サッカーチーム以外の男友達からも協力できることはないかと連絡があったそうだけれど、自分が全員に責任を持つために、今回はチーム仲間だけに絞ったという。

 この活動をする時には、チームのジャージを着て、身分証明書として学生証を持つことに。そして4人1組のグループを5つ作り、土曜日の夜9時から日曜日の朝5時まで街をパトロールし、付き添いが欲しいという女性から連絡があれば、そこから2人を向かわせ、送り届けるという形態を取ったという。

 結果として、30人の女性を送り届けたというベンとその仲間たち。女性からの感謝のメッセージに、「正直に言って、これぐらいしか自分たちにはできないから」と返信していたベンは、他の大学のスポーツチームにも、行動を起こしてほしいと願っているそう。

 もちろん、性犯罪が起こらず、ベンたちがこのような行動を起こす必要がない社会が本来あるべき姿。しかし、男性が性犯罪にノーと言うこと。被害を受けやすい女性の行動を制限しようとするのではなく、性犯罪に対して対策を打ったこと。20人以上の仲間が連帯したこと。

 様々な点から喜ばしい彼らの行動には、多くの称賛が集まっている。(フロントロウ編集部)

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