マッツ・ミケルセン主演の映画『アナザーラウンド』のハリウッド版リメイクを製作する権利をレオナルド・ディカプリオ率いる映画製作会社が獲得。レオナルド本人が主演する可能性も伝えられているが、一部の映画ファンからはブーイングも。(フロントロウ編集部)

マッツ・ミケルセンの新たな代表作『アナザーラウンド』

 『アナザーラウンド』は、映画『ポーラー 狙われた暗殺者』、ドラマ『ハンニバル』などのマッツ・ミケルセンが主演を務めたデンマーク、オランダ、スウェーデン合作によるコメディドラマ映画。

画像1: ©ZENTROPA ENTERTAINMENTS / Album/Newscom

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 マッツが第65回カンヌ国際映画祭(2012年)で男優賞を手にすることとなった映画『偽りなき者』を手がけたトマス・ヴィンターベア監督と再タッグを組んだ同作は、第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出。

 第78回ゴールデングローブ賞外国語映画賞でもノミネートされたほか、ヨーロッパ映画賞作品賞ほか4冠、サンセバスチャン映画祭やロンドン映画祭など世界中でたくさんの映画賞を総なめにし、日本時間の4月26日に開催された第93回アカデミー賞では、監督賞・国際長編映画賞の2部門にノミネートを果たし、見事、国際長編映画賞を獲得した。

 “北欧の至宝”の異名をとるマッツの輝かしい経歴に新たな代表作として加わった『アナザーラウンド』。

 同作は、マッツ演じる冴えない高校教師とその同僚3人がノルウェー人哲学者の「血中アルコール濃度を一定の度合いを保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するためとんでもない実験に取り組むというストーリー。

画像2: ©ZENTROPA ENTERTAINMENTS / Album/Newscom

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 仕事中でもお構いなしに酒を飲み常に酔った状態を保つと、授業も楽しく、生き生きとしたものになっていき、生徒たちとの関係性も良好になっていく。同僚たちもゆっくりと確実に人生がいい方向に向かっていった。しかし、実験が進むにつれ、だんだんと制御不能になり…という笑いあり、せつなさあり、もともとダンサーだったマッツが踊り狂うシーンもありという、見どころ満載の作品なのだが、日本でも9月に劇場公開が決定している同作のハリウッド版リメイクの計画が進行していることが明らかになった。


レオナルド・ディカプリオの製作会社がリメイク権を競り落とす

 米Deadlineによると、『アナザーラウンド』のハリウッド版の製作権をオークションで落札したのは、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などで知られる俳優のレオナルド・ディカプリオと映画プロデューサーのジェニファー・デイヴィソンが運営する映画製作会社アッピアン・ウェイ。

画像: レオナルド・ディカプリオの製作会社がリメイク権を競り落とす

 同社は、これまでに、レオナルド主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』や彼が悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞することとなった『レヴェナント: 蘇えりし者』を製作したほか、近年では、クリント・イーストウッド監督の『リチャード・ジュエル』、タロン・エジャートン&ジェイミー・フォックス共演の『フッド: ザ・ビギニング』なども手がけている。

 オリジナル版はデンマーク語である『アナザーラウンド』の英語版リメイクの製作権をめぐっては、フランスの大手映画製作・配給会社スタジオカナルや映画『ブロークバック・マウンテン』の俳優ジェイク・ギレンホールが率いる映画製作会社や『チャーリーズ・エンジェル』のリメイク映画のメガホンをとったことでも知られる俳優のエリザベス・バンクスがユニバーサル・ピクチャーズと提携して権利獲得に名乗りを上げたが、オリジナル版を手がけたヴィンターベア監督の“マッツが演じた実存的危機に瀕した中年男性の主人公をレオナルドが演じるとろこを見てみたい”という願望がひとつの決め手となり、アッピアン・ウェイがリメイク権を手にすることとなった。

画像: トーマス・ヴィンターベア監督。国際長編映画賞を受賞した第93回アカデミー賞授賞式のプレスルームにて。

トーマス・ヴィンターベア監督。国際長編映画賞を受賞した第93回アカデミー賞授賞式のプレスルームにて。


一部ファンからはブーイングも

 レオナルドが製作だけでなく、主演する可能性もある『アナザーラウンド』のハリウッドリメイクだが、一部の映画ファンたちからは、「まったく必要ない」「マッツ主演作で十分すぎる」「字幕で見ればいいじゃないか」とSNS上でブーイングが噴出。

 著名な映画アワードを獲得した評価の高い外国語映画がハリウッドでリメイクされるというケースは決してめずらしくはないが、新たな名作である『アナザーラウンド』にあやかって「ひと儲けしてやろうという魂胆が見え見えだ」と批判を浴びている。

画像3: ©ZENTROPA ENTERTAINMENTS / Album/Newscom

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 ハリウッド版リメイクをめぐる物議を揶揄して、レオナルドが『アナザーラウンド』をリメイクするなら、「マッツが『タイタニック』をリメイクすればいいんじゃない? 」と、引き換えに、マッツがレオナルドの代表作『タイタニック』の主人公を演じればいいといったジョークまで口にするツイッターユーザーも。

画像: 映画『タイタニック』の名シーン。マッツがこれを…? ©PARAMOUNT/20TH CENTURY FOX / Album/Newscom

映画『タイタニック』の名シーン。マッツがこれを…? ©PARAMOUNT/20TH CENTURY FOX
/ Album/Newscom

 はたして、ヴィンターベア監督も希望する通り、レオナルドがどこかパッとしない酔いどれ中年教師を演じるハリウッド版『アナザーラウンド』は、数年後に世界中の劇場で公開されることとなるのか? 続報に注目。(フロントロウ編集部)

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