背中のお肉を「花」で美しく飾るタトゥーデザイン「ロールフラワー」が海外で話題に。ありのままの姿を受け入れるボディ・ポジティブの一環として大きな注目を集めている。(フロントロウ編集部)

あえて“背中の肉”を強調するタトゥーが話題に

 ありのままの体型を受け入れる「ボディ・ポジティブ」という考え方が世界中で広がりつつあるとはいえ、やはり自分がコンプレックスに感じる部分は、できれば隠したいと思うのが一般的。とくに、お腹や背中についたお肉を目立たないようにしたいと思う人も少なくない。

 そんな、今までコンプレックスに感じていた部分を、少しでもポジティブなものに変えようという想いから誕生したのが「ロールフラワー」。ロールフラワーとは、お肉がついて丸まってしまった背中の折り目部分に「花」のタトゥーを入れるというもので、ありのままの姿をより美しくみせる方法として注目が集まっている。

背中を美しく飾る「ロールフラワー」

 「ロールフラワー」の考案者であるタトゥーアーティストのキャリー・メッツ・カポルソは、このタトゥーデザインを開発したきっかけについて、「私は8年間、プロとして様々な人にタトゥーを施してきたけれど、あるとき、誰かの体を美しく引き立てるために作られたデザインのほとんどは、痩せている人や筋肉質な人に向けたものだって気づいた」と米Allureでコメント。タトゥーデザインにおいても特定の“美容基準”があると指摘した。

 実際に、長年タトゥー業界に携わるキャリーでさえ「ふくよかな体に特化したタトゥーデザインを一度も見たことがない」と語っており、このタトゥーに対する“美の固定観念”を覆すために開発したのが「ロールフラワー」だという。

 ロールフラワーについて、キャリーは「このタトゥーは、社会が恥じるべきだと言う(背中の肉)を隠すどころか、むしろ注目を集めるようなデザインになっている。だから、ボディポジティブというよりも、具体的には自分の脂肪を受け入れるってことかな」と説明。

 ほかにも、ロールフラワーに込めた想いについて、キャリーは「太っている人を、変えたり直したりする必要があるというふうに見られないようにしたい。太っている人が、体重を減らしたいという気持ちを常に持っていなくても、価値があると思われてほしい。太っている人には、肥満は失敗ではないことを知ってほしい。太った人には、自分の体をそれ以上でもそれ以下でもないものとして見てほしい」と、ありのままの自分を“本当の意味”で受け入れるきっかけにしてほしいとも語っている。

 また、キャリーは「美しいタトゥーを入れることは、それがうまくいっているかどうかは別として、自分の体を自分自身で完璧にコントロールしているように感じる手助けになると思っている」と話し、最後に「いつの日か、これらのタトゥーが足首のタトゥーと同じくらい当たり前で、太っていることが良いことでも悪いことでもない中立的なものとして見られるようになることを願っている」と締めくくった。

 背中のお肉を美しく見せるロールフラワー。ちなみに、花以外にも太陽や山、ウェーブ模様などほかにも新しいデザインを開発中とのこと。タトゥーを入れるか入れないかは別として、このようなポジティブな活動が増えるのは大変喜ばしい。(フロントロウ編集部)

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