2019年公開のハリウッド映画に登場したアジア系および太平洋諸島系(API)のキャラクターの25%以上が、映画が終わるまでに死亡していたという驚きの調査結果が明らかに。また、APIの主人公または準主人公を描いた作品の3分の1はドウェイン・ジョンソンが演じていたことも判明。(フロントロウ編集部)

ハリウッドにおけるAPI俳優の“扱い”が明らかになる

 南カリフォルニア大学のアネンバーグ・インクルージョン・イニシアティヴが中心となって行なった調査結果によると、2007年から2019年に公開された興収1〜100位のハリウッド映画、計1,300作品に登場するキャラクターのうち、アジア系や太平洋諸島系(以下API)の俳優はわずか5.9%だったという。2019年の数字は8.4%とやや改善されたが、9.6%だった前年(2018年)と比べると減少しており、研究者たちは、「時間の経過とともに意味のある変化はありませんでした」と結論づけている、

 また、2019年の興収上位の作品に登場するAPIのキャラクターの25%以上が映画の終わりまでに死亡し、41%以上が差別的な扱いを受けていたことも明らかになっている。そのうち6人は人種差別または性差別的な中傷で、亡くなったキャラクターについては、1人を除いてすべてが暴力的な結末を迎えているとのこと。

 さらに、今回、調査対象となった1300作品のうち、白人の男性俳優が主演または準主演を務めた作品が336作品だったの対し、APIの男性俳優は44作品で、そのうちの3分の1を米Forbesが毎年発表している「世界で最も稼ぐ俳優ランキング」で2019年に続き2020年も堂々の1位に輝いたドウェイン・ジョンソンが占めていた。

画像: ハリウッドの第一線で活躍する俳優のドウェイン・ジョンソン。

ハリウッドの第一線で活躍する俳優のドウェイン・ジョンソン。

 そのほかにも、2019年の興収上位の作品に登場するAPIのキャラクターの67%がステレオタイプを反映しており、約5分の1がアメリカ英語ではないアクセントで英語を話すか、英語以外の言語で話していたことがわかっている。

 ちなみに、ステレオタイプなAPIのキャラクターの例として、映画『ダンボ』の蛇使いのプラメシュ・シンハ(ロシャン・セス)や映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のブルース・リー(マイク・モー)の描写が挙げられた。とくに、ブルースの描き方をめぐっては、ブルースの娘であるシャノン・リーも苦言を呈している。(フロントロウ編集部)

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