人気セレブたちがこれまでのキャリアのなかで演じた役のなかには、じつは「やらなきゃよかった…」と引き受けたことを後悔しているものもある。聞いて驚く名作や、理由を知ると納得の役どころまでスターたちが口にした出演作に関する本音を特集。(フロントロウ編集部)

ジョージ・クルーニー
『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』

 1997年公開のDCコミックス『バットマン』を原作としたスーパーヒーロー映画で主人公のバットマンを演じたジョージ・クルーニーは、自身が演じたバットマンは“歴代最悪”だったと自負しているそう。

画像: ジョージ・クルーニー 『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』

 「後になって考えてみると、『うわー、あれは本当にクソみたいな映画だったな。俺の演技も本当にダメだった』って。あの映画でいい演技を見せるのは至難の業だったよ。何か別のやり方があったんだろうか…」とTotal Filmとのインタビューで語っているほか、自分の後にバットマンを演じた俳優たちの演技についてEmpireにコメントを求められると「俺はあの役(バットマン役)をめちゃくちゃにしたんだ。自分にはコメントする権利なんかない」と自虐している。


ジェシカ・アルバ
『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』

 2005年のマーベルコミック原作映画『ァンタスティック・フォー [超能力ユニット]』に続き、その2年後に公開された『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』でスーザン・ストーム(インヴィジブル・ウーマン)を演じたジェシカ・アルバは、同作の撮影がつらすぎて役者を辞めようかと思ったと明かしている。

画像: ジェシカ・アルバ 『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』

 ティム・ストーリー監督から突き付けられるスーパーヒーローを演じるうえでの無理難題に納得がいかなかったというジェシカは、「演技の仕事を辞めようかと思った。監督が『それじゃあリアルすぎる。痛みが表現されすぎてる。もっと美しい泣き顔はできないのか? もっと可愛く泣いてみろよ、ジェシカ。顔をしかめずに、平坦な表情で。涙はCGIで追加すればいいから』って言うんだもん。でも私は、それじゃあ人間味がなさすぎるって考えてた」とBlastrに当時を回顧。「私って下手なのかな? 自分の勘や感情表現の仕方って間違ってるのかな?」と自分の能力を疑ってしまったといい、最終的にはヤケクソで撮影を終えたと振り返っている。


チャニング・テイタム
『G.I.ジョー』

 アメリカの伝統的なおもちゃG.I.ジョーのアニメ版である『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』をベースとした実写作品である2009年公開の映画『G.I.ジョー』に主演したチャニング・テイタムは、同作を酷評している。

画像: チャニング・テイタム 『G.I.ジョー』

 「正直に言うよ。僕はあの映画が大嫌いだ。マジで嫌い。あの映画には強制的に出演させられたんだ」とラジオ番組『The Howard Stern Show』で本音をぶちまけたチャニング。

 映画デビュー作となった『コーチ―・カーター』の出演後、スタジオ側からその後3作の出演契約を持ちかけられ、まだ駆け出しだった彼は大喜びでサインしたものの、時間が経ち、自分のやりたいことが明確になってくると、なぜこんな作品への出演を引き受けてしまったのかと後悔したそう。アニメ版の『G.I.ジョー』は好きだけれど、主人公のG.I.ジョーではなくスネーク・アイズというキャラクターを演じたいと申し出たものの却下。「脚本はダメダメだったし、子供の頃からファンで毎朝観て育ったアニメの思い出を台無しにしたくなかった。それに、僕はG.I.ジョー役はやりたくなかったんだ…」と話している。


キャサリン・ハイグル
『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』

 ドラマ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』からの卒業後、ロマコメ作品に多数主演したキャサリン・ハイグルだけれど、セス・ローゲンと共演した2007年公開の映画『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』では、女性の描かれ方に疑問を感じずにはいられなかったとVanity Fairのインタビューで語っている。

画像: キャサリン・ハイグル 『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』

 同作は、セス演じる男性主人公が酔った勢いでキャサリン演じる女性と一夜を共にしたところ、8週間後に予期せぬ妊娠を告げられるというストーリー。

 キャサリンは、同作のストーリーやキャラクターについて「ちょっと性差別的だった。女性はみんな口やかましくて、ユーモアがなくて、頭が固いように見せておきながら、一方で、男性は天真爛漫でひょうきんで愛すべき存在みたいな」と振り返ったうえで、「なんで私はこんなビッチでお楽しみを奪うような女性を演じているんだろう? というか、なんで女性がこんな風に描かれなきゃならないの? 」と撮影に参加しながらも悶々としていたと告白。「撮影の98%くらいは素晴らしい経験だったけど、あの映画を愛することは私には難しかった」と話している。


シャイア・ラブーフ
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

 子供の頃から憧れていたスティーヴン・スピルバーグ監督の作品に参加したことで、夢が壊れてしまったと話すシャイア・ラブーフは、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』に苦い思い出があるという。

画像: シャイア・ラブーフ 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

 「スピルバーグ監督の作品が(俳優としての)ゴールだと思っていた。でも、実際に辿りついてみると、それまで夢みてきたスピルバーグ監督は別人だということに気づくんだ。(中略)彼は監督というより、大きな会社のよう。スピルバーグ監督と一緒に作った作品のなかで僕が好きなのは『トランスフォーマー』の1作目だけだよ」とVarietyにコメントしている。


ケイト・ウィンスレット
『タイタニック』

 ケイト・ウィンスレットは、なんと、自身を一躍有名にした1997年公開の映画『タイタニック』があまり好きではないという。

画像: ケイト・ウィンスレット 『タイタニック』

 ケイトは、ローズ役を演じたこと自体を後悔しているわけではないものの、作品を見返してみると自分の演技の未熟さに耐えられず、できることならやり直しをしたいくらいなのだそう。

 「どのシーンを見ても、『本当に?正気? そんな風に演じたの?』って恥ずかしくなる。自分のアメリカ英語のアクセントも聞くに堪えない。あれはヒドかった」「自分のパフォーマンスを見るのは、どの作品もキツいけど、とにかく『タイタニック』を観るたびに『あぁ神様、どうかやり直しをさせてください』って思ってしまう」とCNNに話している。


ハル・ベリー
『キャットウーマン』

 DCコミックス『バットマン』のキャラクターであるキャットウーマンが主役の映画『キャットウーマン』(2004年公開)は、その年の“最低映画”を決めるゴールデンラズベリー賞で作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞の4部門を受賞。

画像: ハル・ベリー 『キャットウーマン』

 授賞式に出席したハルは、「クソみたいな映画に私をキャスティングしてくれたワーナー・ブラザースに感謝します。それから、共演者のみなさんにも。あんなヒドい演技は、みなさんの協力なしにはできなかった」と皮肉たっぷりにスピーチして会場の笑いを誘った。

※CGIをGCIと誤記していたため修正しました。

(フロントロウ編集部)

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