功績を称える銅像にされていない偉人の女性は多い。そこで、Huluが新たに女性のモニュメントを制作する。(フロントロウ編集部)

偉業が評価されていない偉人女性たち

 アメリカの動画配信サービスであるHuluが、アーティストのサヤ・ウールフォークとともに、Made by Her: Monumentsキャンペーンをスタートした。

 アメリカでは、公共の場に建てられた銅像で男性を表現するものは4,799個であるのに対して、女性を表現するものは、なんとたったの384個。女性は全体の8%だという。

 そこでHuluとサヤは、歴史に名を刻む女性3名のモニュメントを新たに制作する。その3名は、公民権運動のリーダーの1人であったコレッタ・スコット・キング、環境保護活動家のマージョリー・ストーンマン・ダグラス、そしてアメリカ最高裁判所判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)。

画像: コレッタ・スコット・キング

コレッタ・スコット・キング

画像: マージョリー・ストーンマン・ダグラス

マージョリー・ストーンマン・ダグラス

画像: ルース・ベイダー・ギンズバーグ

ルース・ベイダー・ギンズバーグ

 Huluのトップであるケリー・キャンベルはキャンペーンについて、「アメリカの歴史において、女性たちは巨大な貢献をしてきたにもかかわらず、国中の公共の場に飾られている銅像ではいまだに広く過少評価されています。これまで以上に、女性や他の過少評価されているグループの功績を認め、祝福することが必要です。Huluはそのために意味のある役割を果たしていることを誇りに思います」とコメントを発表。

 日本生まれで、アメリカのニューヨークを拠点とするマヤは、「自分たちがどうなれるのかについて、人々に限界を感じさせなかった女性たちがいます。そこで私は、このモニュメントを通して、彼女たちを素晴らしく限界のない個人として表現したいと思います」と、その熱い思いを語った。

 世界各国では、銅像に女性が少ないこと以外にも問題はある。2020年6月に、黒人の人権運動Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)が世界各地で広がった際には、イギリスのブリストルで17世紀の商人エドワード・コルストンの像が市民によって引きずりおろされ、ブリストル湾に投げ入れられたことは記憶に新しい。

 これには、エドワードが約8万人をアフリカ大陸からアメリカ大陸に奴隷として送り込んだとされていることに理由があるように、銅像が建てられている人物であっても、必ずしも偉人であるわけではない。銅像などのアートには様々な視点から取り組むことができる。

 Huluによる銅像は、コレッタ・スコット・キングとマージョリー・ストーンマン・ダグラスのものは今年の夏に、ルース・ベイダー・ギンズバーグのものは2022年初めに設置される予定。(フロントロウ編集部)

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